2007年9月15日(土)「しんぶん赤旗」

日雇い派遣に失業手当

労働者と共産党要求 フルキャストに初適用


 日給で派遣される「日雇い派遣労働者」について厚生労働省は、建設現場などで働く日雇い労働者向けの雇用保険を適用することを決め、日雇い派遣大手のフルキャスト渋谷支店を十四日、最初の適用事業所に認可しました。早い人は十一月中にも受給資格を得る見通しで、対象者は最大で日額七千五百円の失業手当(日雇い労働求職者給付金)が支給されます。

 日雇い派遣は一九九九年に派遣労働の原則自由化で急増し、百万人にのぼるとみられます。「ネットカフェ難民」を生むなど社会問題になるなかで、労働者が「生活を支える安全網が必要だ」として適用を要求。日本共産党は国会でとりあげ、参院選政策にも掲げて実現を求めてきました。

 日雇い労働者には、日雇い労働保険という雇用保険があり、二カ月間に二十六日以上働いた労働者が失業すると、失業手当を受けられますが、厚労省は、日雇い派遣は一時的な収入のために働く人も少なくないとして対象外にしていました。

 しかし、日雇い派遣が増えるなかでフルキャストの労働者が保険適用を要求。同社が今年二月、厚労省に適用事業所の認可を申請しました。

 同省が日雇い派遣の実態を調べたところ、一時的な収入を得るためではなく、複数の派遣会社に登録して生計を営む労働者が少なくないことが分かったため、適用を認めることになりました。

 これに前後して同社が八月、違法派遣で業務停止命令を受けたため、労働者の失業補償が改めて焦点になっていました。

 日本共産党の小池晃参院議員は三月十五日の参院厚生労働委員会で、安定雇用の拡大とともに雇用・社会保険への加入を要求。フルキャストの事業停止の際も、失業補償制度の検討を厚労省に申し入れていました。


登録型禁止を

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 小池晃参院議員の話 日雇い派遣労働者への雇用保険の適用は一歩前進です。無権利の労働者に対する最小限の措置であり、実態を踏まえた対策がさらに求められます。不安定雇用を拡大する規制緩和路線を転換し、日雇い・スポット派遣をはじめ、登録型派遣の禁止に進むべきです。


 日雇い労働求職者給付金 日雇い労働者に対する失業給付。過去二カ月間の就労が二十六日以上が要件。事業主からもらう印紙を被保険者手帳に張って就労を証明します。給付金は一日四千百―七千五百円で最長十七日分支払われます。



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