2007年9月14日(金)「しんぶん赤旗」
保険料 年15.5万円も
75歳以上医療 都広域連合が試算
七十五歳以上の高齢者に高額な保険料徴収と負担増、医療切り捨てを押し付ける後期高齢者医療制度(来年四月実施)について、東京都後期高齢者医療広域連合が示した保険料試算に、「こんな高い保険料は払えない」「年寄りは死ねということか」と怒り・不安の声が広がっています。二十三区や立川市での現行国民健康保険料と比較すると負担増は歴然としています。
試算は、広域連合間の所得格差を調整するための国の補助金(調整交付金)がどの程度交付されるかなど、いくつかの想定を示して算定しています。それによると平均保険料は、最高(調整交付金が30%交付されると想定したケース)で年額十五万五千円に及び、最低(同満額交付)でも年額九万六千円となります。この保険料額は厚生労働省の試算年額七万四千円を大幅に上回るものです。調整交付金が少ない都の場合、最高のケースが現実になりかねません。
広域連合は、収入別の一人当たりの保険料の試算も示しており、それと二十三区、立川市における現行国保料負担額を比較しました。二十三区で一・二倍から一・九倍、立川市でも、一・三倍から二・一倍もの負担増になりかねません。
しかも後期高齢者医療制度では、年金額月一万五千円以上の人は年金から保険料が天引きされる仕組みです。すでに実施されている介護保険料と合わせ、二重に引かれることになります。
また、保険料が払えない高齢者から保険証を取り上げ、「資格証明書」が発行されます。そうなると、病院窓口で医療費全額を支払わなければなりません。
日本共産党は、自民・公明政権が強行した後期高齢者医療制度について、来年四月からの実施凍結と、制度の全面的な見直しを求めています。
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