2007年9月13日(木)「しんぶん赤旗」
鼓動
日本相撲協会・批判許さぬ閉鎖的体質
朝青龍問題に関連し、またしても日本相撲協会の対応が世間を騒がせました。
テレビで相撲協会に対して批判的だったという理由で、元NHKのアナウンサーの杉山邦博氏の取材証を没収したからです。
ところが相撲記者クラブが抗議文を送り、12日のニュースで、いっせいに非難されると反響の大きさに驚き、手のひらを返したように取材証を杉山氏に返却しました。
この騒動で北の湖理事長が没収の理由にあげたのは、朝青龍問題を取り上げたテレビ番組で「協会の処分がよくない」という別の出演者の意見に、杉山氏がうなずいたこと。それが協会批判に当たると一方的に決めつけたのです。
この処分は批判を許さないという協会の姿勢を示すために行った見せしめ的なものでしょう。こうした対応は、あまりにも見識のないものと言わざるをえません。そこには協会の閉鎖的体質が表れています。
しかし今回、協会側は、あっさりと杉山氏に取材証を返却しました。これは協会自身がこうした態度に道理がないことを逆に証明したものです。
たとえ耳の痛い意見でも、しっかり受けとめて、組織の改革に生かしていく度量が、相撲協会には求められています。(武田祐一)