2007年9月12日(水)「しんぶん赤旗」
安倍政権 「政治とカネ」を洗う
不明朗閣僚 ウンザリ
領収書空欄 鴨下環境相
写し未提出 甘利経産相
安倍首相が所信表明演説で、閣僚らの相次ぐ「政治とカネ」の問題について、みずからの任命責任にまったくふれなかった翌日の十一日、二人の閣僚が政治資金収支報告書に添付が義務付けられている領収書の写しについて、空欄だったり、提出していなかったことがわかりました。改造にあたって「身体検査」を徹底したはずの、この内閣の末期的症状を改めて浮き彫りにしました。
領収書の写しのあて名が空欄だったのは、鴨下一郎環境相。十一日、自身が代表を務める自民党東京都第十三選挙区支部が都選挙管理委員会に提出した二〇〇三年分の収支報告書に添付された領収書の写しに、あて名が空欄のものが五枚あることを明らかにしました。
同氏によると、領収金額は計約百五十万円で、国政報告会の開催費。領収書の原本には、いずれも「支部に準じるあて名」が記載されており、「何ら恥じることはない」と強調。空欄とした理由については、事務所名などをあて先としたものが混在していたため、「統一性を欠くということで、当時の担当者が空白にしようと考えたようだ」と説明しました。
意図的に領収書に手を加えたなら、虚偽記載にあたります。原本を公開することについては、「私自身、疑いをもたれているという自覚もあるし、公開すれば楽になる」とのべながら、「個人名も記載されており、専門家と相談して検討したい」とのべるだけでした。
鴨下氏は、自身の資金管理団体への貸付金額に誤りがあったとして、資産報告書と団体の収支報告書を七日に訂正したばかりです。
一方、甘利明経済産業相も同日、同相が代表を務める自民党支部が領収書の写しを紛失、提出していなかったことを明らかにしました。
紛失したのは、〇四年―〇五年に支出した市議候補への陣中見舞いなど計四十七万円分。その後の確認で三十七万円分はありましたが、二人の市議に支給した残りの約十万円分は見つかりませんでした。支出の相手や時期は判明しており、同相は「不透明な(カネの)流れはない」と弁明しました。
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