2007年9月12日(水)「しんぶん赤旗」
控訴そのものが無理
葛飾ビラ弾圧 検察側証人尋問でも
東京高裁
東京都葛飾区のマンションで日本共産党の都議団報告などのビラを配った荒川庸生さん(59)が住居侵入罪に問われ、一審で無罪となった弾圧事件控訴審の第二回公判が十一日、東京高裁(池田修裁判長)で開かれました。
公判では、検察側が申請した証人のマンション設計責任者(一級建築士)の尋問が行われました。検察側は、玄関二カ所の扉や外階段について、部外者が勝手に立ち入らないためのものであることを立証しようとしました。しかし、証人は、二十年前の設計時と現場の状態も変わり、「現場がどうなっているのかわからない」と証言。設計当時の考え方が現在のオートロックドアとは異なっており、立ち入り自由となっている扉がいやでも「我慢するか、(あるいは)転居するしかない」と語り、検察側の立証に無理があることが浮き彫りになりました。
公判では弁護団が求めた国士舘大学の関哲夫教授(刑法)と一橋大学の阪口正二郎大学院教授(憲法)の意見書を証拠として採用することがきまりました。次回公判は十月三十日。荒川さんへの尋問が行われます。
公判後、支援者らが弁護士会館で報告集会を開き、弁護団が公判の内容を報告。荒川さんは「一審で無罪になり、控訴審で検察が申請した唯一の証人の証言からも、控訴そのものに無理があることがわかるものになった」とあいさつしました。