2007年9月12日(水)「しんぶん赤旗」

主張

東大阪市長・市議選

無法はね返す前進 市民の手で


 日本共産党員市長でもある東大阪市の長尾淳三市長が、市長選挙への再出馬を表明しました。同市では、自民、公明、リベラル(民主系)など野党が多数を占める市議会が市長不信任を議決し、近く市長選挙がおこなわれることになります。長尾市長の再出馬は、無法に屈せず、一年余り前にスタートさせた新しい政治の流れを前進させる決意の表明です。市長選挙は、十六日告示の市議会議員の選挙に続いておこなわれます。市議選での市長を支える日本共産党の九人の候補全員の当選とあわせ、市長選での長尾市長の再選へ、力を尽くそうではありませんか。

道理も大義もない不信任

 市民のなかから批判の声が上がっているように、自民、公明などの野党が強行した市長不信任は、どこからみても道理や大義のない、党利党略むき出しの無法なものです。

 昨年七月に長尾氏が市長に返り咲いて市政を発足させていらい、野党は予算など、市長が提案した議案のほとんどに賛成してきました。一般紙でさえ市役所内に、「談合事件のような不祥事や大きな失政もない」と慎重論が出ていたことを伝えたのに、一方的に不信任を強行するのは、まったく道理がありません。野党からさえ反対する議員が出たことにもその無法ぶりは明白です。

 もともと、国会議員の選挙で首相が選ばれる国の政治と違い、地方の政治は首長も議員も住民の選挙で選ばれます。住民が選んだ首長にたいする議会の不信任の議決は「特に、慎重でなければならない」(『議員必携』)というのが、地方政治の大原則です。不信任が議決された場合、首長は議会を解散できますが、すでに定例の議員選挙が決まっていて解散が困難な時期を選んで不信任を議決すること自体、不当きわまります。無法な不信任の議決は、市長を選んだ市民への挑戦そのものです。

 不信任決議に道理も大義もないことは、市議会で不信任案を提案した自民党議員も、それに賛成の討論をした公明党議員も、自らも賛成した市長提案の予算にあれこれ難癖をつけるといった支離滅裂な態度をとったあげく、市長は「共産党の意見しか聞かない」とか「独善」といった、党利党略的な理由しかあげられなかったことでも明らかです。

 長尾市政が「独善」どころか、市民の意見を聞き、市民の立場に立って、巨額の庁舎建設などのムダ遣いと長年にわたって市政をむしばんできた同和行政にメスを入れ、介護保険料の減免や乳幼児医療費の助成など、市民の暮らしを守る施策を進めてきたことは、市民なら誰でも知っていることです。それを攻撃するのは、長尾市長のもとでの新しい市政がこれ以上続くのを望んでいない立場からの勝手な言い分です。

広範な市民の支持集めて

 長尾氏が市長に就任したのは、いまから九年前、自民・公明が推す市長が利権に絡んで逮捕されたのが最初です。その長尾氏が昨年市長に返り咲いたのは、清潔・公正の新しい市政を進めるという公約が市民に支持された結果です。

 市議会で与党の日本共産党の議員が少数という条件下で、野党は市長にたいする嫌がらせを重ねてきました。そうした妨害がもはや通用しなくなり、無法な不信任以外手段がなくなったのが今回の事態です。

 市議選での日本共産党の前進と市長選挙での長尾市長の再選こそ、無法な不信任への審判です。市民の力を結集して、新しい市政を前進させようではありませんか。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp