2007年9月9日(日)「しんぶん赤旗」

安倍政権 「政治とカネ」を洗う

補助金不正受給 洋ナシでも

遠藤前農水相の共済組合

「赤旗」・党県議団調査で判明


 遠藤武彦前農水相(68)が組合長を務めていた「置賜(おきたま)農業共済組合」で、補助金の不正受給が発覚した一九九九年産ブドウの果樹共済に加え、新たに高級ナシのラ・フランスなどでも、加入者の水増しが行われていたことが八日、本紙と日本共産党山形県議団の調べで分かりました。


山形の農家“加入覚えない”

 同組合関係者などから寄せられた内部資料や証言で明らかになったもの。二日付で本紙は、不正はブドウだけでなく長年にわたって行われていたと指摘しましたが、それを裏付けるものとなりました。全容解明にむけて徹底的な調査が必要です。

 本紙などが入手したのは、九九年産ラ・フランスの共済加入者水増しに使われたとみられる加入申込書のコピーです。水増しとみられる申し込み分は十三件あり、申し込みの日付は九九年三月一―七日、組合の受付印は同年三月十日となっています。

 申込書に名前が記入されている農家を取材したところ、確認できた五人で共済加入はおろか、ラ・フランスの栽培すらしていない事実が判明しました。

 ラ・フランス四十アールを加入したとされる高畠町の農家は、「ブドウはつくっているがラ・フランスは栽培していない。共済に加入した覚えもない」と話します。男性のラ・フランス園があるとされる場所は、一面にブドウ園が広がっているばかりです。また、別の高畠町の男性もラ・フランス園とされた場所は、実際には水田とブドウ園でした。

 共済加入農家は通常、掛け金の払い込みはJAの口座振替を利用しますが、水増しの申込書は、いずれも「現金納入」で契約の判が押されているのも特徴。同組合関係者は「架空申し込みなので、振替にできるわけはありません。架空契約はリンゴなど、ほかにもあります。もっと調査すべきです」と話します。

 日本共産党の笹山一夫県議団長の話 現地調査もした結果、ブドウ以外でも水増しの事実を確信しました。ただちに県に徹底調査を申し入れます。



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