2007年9月7日(金)「しんぶん赤旗」
米軍機
核搭載のまま移動
ずさん管理 操縦者知らず
【ワシントン=鎌塚由美】本来は取り外すべき核弾頭を搭載した米軍爆撃機が米国上空を移動していたことが判明しました。米メディアは五日、同飛行ではパイロットは到着するまで核弾頭の搭載に気づいていなかったと伝え、米軍のずさんな管理が浮き彫りにしました。
この爆撃機(B52)は、八月三十日にカナダと国境を接する北部ノースダコタ州の空軍基地から南部ルイジアナ州の空軍基地の間約二千キロを移動。米メディアによると、六発の核弾頭ミサイルが搭載されていたといいます。
退役する巡航ミサイルをルイジアナの空軍基地に運ぶ日常的な移動だったとされますが、ノースダコタの基地で取り外すべき核弾頭がそのまま搭載されていました。
国防総省は核兵器の搭載の有無についてはコメントしませんが、モレル報道官は五日、このミスは国防長官にも直ちに報告され、ブッシュ大統領にも通知されたと説明しました。
この事件を最初に暴露したのは、米兵向けの週刊紙ミリタリー・タイムズ。厳格な手続きの下で管理されているとされる核弾頭ですが、管理のあり方が改めて問題になるのは必至です。米メディアは当局者も「重大なミス」だと認めていると報じました。