2007年9月6日(木)「しんぶん赤旗」

鴨下環境相の資金管理団体

借入金800万円食い違い

資産報告では貸付残高ゼロ


 自民党の鴨下一郎環境相(衆院東京13区)の資金管理団体の一九九八―二〇〇五年の政治資金収支報告書に記載している同氏本人からの借入金一千万円が、借入時の一九九六年の報告書には二百万円と記載され、八百万円の食い違いがあることが五日、わかりました。同団体の二〇〇五年の収支報告書には、この一千万円を含め鴨下氏本人から計二千三百万円の借入金がありますが、同氏が衆院議長に提出している資産等報告書には、同氏の貸付金残高はゼロとなっており、この食い違いも明らかになりました。鴨下氏は同日夕、会見し、九六年の実際の借入金は二百万円で、残高は千五百万円が正しいとしました。

 安倍首相は、鴨下氏のずさんな記載について、「記載ミスだと聞いている」とのべ、問題視しない考えを示しましたが、相次ぐ閣僚の「訂正」にその任命責任が問われています。

 本紙の調べによると、鴨下氏の資金管理団体は一九九三年四月、「新政策研究会」として設立され、〇三年二月、「足立まちおこしの会」に改名、〇六年十二月、さらに「政策パラダイム研究会」となりました。

 東京都選挙管理委員会に提出された九六年の収支報告書には、鴨下氏本人からの借入金として二百万円が記載されています。ところが、それ以降の報告書には、九六年八月に一千万円を鴨下氏本人から借り入れたとの記載がされ続けており、差額八百万円についての記載は一切ありません。

 また、鴨下氏が支部長の「自民党東京都第十三選挙区支部」の〇三―〇五年の収支報告書には、九六年八月の一千万円はじめ、九七年七月に一千万円、九八年三月に三百万円をそれぞれ鴨下氏本人から借り入れたとの記載がありました。しかし、松岡利勝農水相(当時)らの「事務所費」問題が国会で大問題になっていた今年二月に、これを削除。「足立まちおこしの会」が二千三百万円を借りているとの内容に訂正されています。

 資金管理団体の鴨下氏からの借入金残高は〇五年現在、二千三百万円ということになりますが、同氏の資産等報告書では、貸付金残高は〇〇年六月に八百二十万円、〇三年十一月と〇五年九月はゼロとなっており、収支報告書の記載と大きな食い違いがあります。

上川氏も訂正

 五日、上川陽子少子化・男女共同参画担当相(衆院静岡1区)も資産等報告書で最大一千万円を超す貸付金の記載漏れが判明、訂正しました。



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