2007年9月3日(月)「しんぶん赤旗」
残業代払ってよ
青年 牛丼「すき家」前で訴え
東京・渋谷
「ユニオンに入って残業代、有給休暇をもらおう」「すき家は、残業代未払い分を法律どおり払え!」――。フリーターや派遣社員などでつくる個人加盟の組合「首都圏青年ユニオン」(伊藤和巳委員長)は二日、若者たちでごったがえす東京・渋谷の渋谷センター街で、横断幕やのぼり旗を掲げて「残業代の不払いを一掃しよう」とアピールしました。
ほぼ満席状態の牛丼チェーン「すき家」渋谷センター街店前。同ユニオンのメンバーら十数人が「すき家は残業代未払い分を払え!」「渋谷から残業代を払わない会社を一掃しようキャンペーンをやっています」と訴えると、携帯電話のカメラをかざすアベックや女子高校生たちの人垣があっというまにできます。
宣伝行動に初めて参加した女性(32)=神奈川県海老名市=は、「すき家」とかかれた発泡スチロール製の手作りの牛丼どんぶりを頭にのせ、道行く人たちに「残業代もらっていますか?」「有給休暇使っていますか?」と声をかけます。「すき家はバイトの人にちゃんとお金を払ってほしい。まともな会社になろうよ」といいます。
生活困窮者の自立支援にとりくむNPO法人「もやい」事務局長の湯浅誠さん(38)もこの日の宣伝行動に参加。「労働組合ではなく、生活に苦しんでいる人たちの相談にのる団体ですが、若い人たちに共通する問題なので応援にきました。格差が広がり、生活が破壊されている人たちが増えている。努力のチャンスさえもらえない人がいます。これは政治の責任です。社会のほうがおかしい、自分たちが悪いんじゃないと考えることは、恥ずかしいことでも、だらしないことでも、わがままなことでもない」と訴えました。
同ユニオンへの加盟をよびかけるリーフレットとビラを受け取った若者たちからは「おれも残業代もらっていないよ」、「正社員だけど(会社が)アルバイトから金(残業代)奪うなんて、びっくりした」という声も。
同ユニオンの河添誠書記長は「どんどん撮影して、友だちに、こういうことを知らせてください」と語りかけ、「残業代不払いを是正するといったすき家は、過去の残業代をいまだに払おうとしない。こんな会社は許せない。有給休暇をもらえない、残業代を払ってもらえないという人は、首都圏青年ユニオンに連絡してほしい」とよびかけました。
大手牛丼チェーン「すき家」の残業代不払い問題 首都圏青年ユニオンに加盟するアルバイト従業員六人が昨年十一月、「すき家ユニオン」結成を発表。労働基準法で義務付けられた八時間超の労働(残業)に対し最低25%増の割増賃金を払っていなかった「すき家」(ゼンショー)は、ユニオンとの交渉で、全店舗のアルバイト一万人に昨年十二月分から割増分の不払いを是正しました。しかし、それ以前の未払い分は払っていません。
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