2007年8月31日(金)「しんぶん赤旗」
小学生の授業時間増
中教審 30年ぶり改定方針
新しい学習指導要領について審議している中央教育審議会(文科相の諮問機関)の教育課程部会と小学校部会は三十日、年間授業時間を増やす方針を決めました。
小学校部会では、国語や算数といった教科学習の授業時間数を一、二年生で年間七十時間(一単位時間は四十五分)、三―六年で同三十五時間それぞれアップさせる方向を打ち出しました。高学年で英語を必修にすることも求めました。小学校の授業時間増は一九七七年の指導要領改定以来、三十年ぶりです。
教育課程部会では、新学習指導要領のたたき台となる「検討素案」を提出しました。現行学習指導要領を転換し、「総合的な学習の時間」と中学校の選択教科の授業時数を削減するとともに、年間授業時間を増やす方向を打ち出しました。
「素案」は、思考力などを育てるには、基礎・基本の習得とともに、実験、論述など知識の活用の学習が必要であり、現行の授業数では不足だとして特定の必修科目の時間増を求めています。それらの能力の基盤として、国語を中心とした各教科での言語能力育成を重視。自然体験・奉仕活動など体験学習と道徳教育の拡充も打ち出しています。
文科省は、年度内に予定される学習指導要領の改定に、これらを反映させます。現行学習指導要領は一九九八年から九九年にかけて改定され、完全五日制の実施、「総合的な学習」の創設、中学校での選択教科の授業増を行いました。しかし必修科目の授業時間が減ったことなどから「学力低下」批判を巻き起こしました。
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