2007年8月28日(火)「しんぶん赤旗」
安倍改造政権 「政治とカネ」を洗う
問題献金は変わらず
「再チャレンジ」安倍改造内閣
事務所費問題や失言などで閣僚四人が相次いで交代した安倍内閣の顔触れが一新しました。二十七日発足の改造内閣。参院選で「ノー」を突き付けた多くの国民の声をよそに、続投を選んだ首相の「再チャレンジ」。しかし、「政治とカネ」をめぐる問題は引き続き噴出しています。
先物業界から4000万円
与謝野官房長官
安倍改造内閣の官房長官に就任した与謝野馨氏(衆院東京1区)が、「必ずもうかる」などの強引な勧誘で被害が続いている商品先物業界から、六年間で約四千万円の資金提供を受けていることがわかりました。
商品先物取引は投機性が非常に高く、知識のない一般の消費者にとってはリスクが高い取引です。年金生活の高齢者などが業者から「必ず値上がりする」と勧誘され、数百万―一千万円単位の損失を被るなどの被害が多数報告されています。
与謝野氏の資金管理団体「駿山会」の政治資金収支報告書(二〇〇三―〇五年)によると、同会は先物業界の政治団体「政経政策研究会」からほぼ毎月二十五万円ずつ、三年間で計八百五十万円の寄付を受けています。そのほか、〇四年には政経政策研究会と別の業界団体「平成の会」が、与謝野氏の政治資金パーティー券をそれぞれ六十万円分、購入しています。〇〇年から〇五年までの資金提供は合計三千九百五十万円にのぼります。
先物取引をめぐっては、〇五年の法改正などで業者に対する規制が強化されましたが、東京先物証券被害研究会事務局長の宮城朗弁護士は「現場の実感としては、まだまだ相談件数は多い」と話します。〇五年十一月には、大手グローバリーの社長ら幹部四人が、商品取引所法違反の疑いで逮捕されています。
談合企業から受領
冬柴国交相
安倍改造内閣で国土交通相に留任した公明党の冬柴鉄三氏の資金管理団体などが、大阪府枚方市の官製談合事件で社長が逮捕された建設会社から献金を受けていたことが二十七日分かりました。
公共事業で巨額予算を預かる国土交通省の担当大臣が、公共工事で不正を働いた業者から献金を受けていたことは問題です。
献金を受けていたのは、冬柴氏の資金管理団体「冬柴政経懇話会」と、同氏が代表の「公明党衆議院小選挙区兵庫第8総支部」。大阪府枚方市発注の清掃工場建設をめぐる官製談合・汚職事件で、談合の共犯容疑で社長が逮捕された兵庫県西宮市の建設会社から、合計三十万円の献金を受けていました。
兵庫県の公報などによると、献金は〇五―〇六年に計二十万円が建設会社社長名義で、また〇三年に十万円が建設会社名義で行われていました。 同氏事務所も「間違いない」と事実を認めています。
同氏は社長が逮捕された後の今年六月、献金を返還。その後、政治資金収支報告書を修正しています。
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