2007年8月26日(日)「しんぶん赤旗」
菅総務相の「事務所費」
所有ビルに2千万円
家賃405万円 資産形成か
菅義偉総務相(衆院神奈川2区)が代表を務める自民党神奈川県第二選挙区支部と政治団体「菅義偉後援会」の二団体が、いずれも菅氏本人の所有するビルに「主たる事務所」を置きながら、二○○五年分の政治資金収支報告書に計約千九百五十六万円の事務所費を計上していたことが二十五日、分かりました。うち、家賃は四百五万円で結果として、菅氏の資産形成に政治資金の一部が使われたことになります。
菅氏が記者会見で公表したものですが、家賃のかからない議員会館や実家に「主たる事務所」を置いていたのに、巨額の事務所費を計上していたとして国会で大問題になった松岡利勝元農水相や赤城徳彦前農水相のケースと同様の問題です。
政治資金収支報告書などによると、菅氏関連の二団体の事務所が入居しているのは、横浜市南区のビル。二団体は当初、このビルを借りて使っており、〇三年は計約二千百三万円、〇四年は計約千六百二十万円の事務所費を計上しています。
ところが、菅氏が衆院議長に提出した「資産等補充報告書」によると、菅氏は〇五年から同ビルの建物と敷地を所有、家賃が不要になったにもかかわらず、〇五年にもあわせて約千九百五十六万円の事務所費を計上していました。
一方、「第二選挙区支部」の政党交付金使途等報告書によると、同支部は、税金である政党助成金から家賃として〇三年に約三百二十九万円、〇四年に約四百三十三万円を計上していましたが、〇五年の家賃支出はゼロになっています。
政治資金規正法施行規則によると、事務所費は家賃や電話代、切手代など事務所の維持に通常必要とされる費用を計上することになっています。
「透明度低い」井上議員指摘
菅氏の政治資金については、日本共産党の井上哲士参院議員が六月二十八日の参院政治倫理・選挙特別委員会で、菅氏の資金管理団体「横浜政経懇話会」をとりあげたことがあります。
〇三―〇五年の三年間で、「組織活動費」のうち、支出が五万円以上で支出先を明らかにしているのは、わずか六件で、その割合は〇三年―0%、〇四年―15・9%、〇五年―1・7%と、きわめて透明度が低いことを指摘しました。
「所管大臣」というのなら、みずからの政治資金処理について、みずから明らかにする責任と義務があります。
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