2007年8月24日(金)「しんぶん赤旗」
小中教職員2万1000人増
文科省3年計画 中心は新管理職
文部科学省は二十三日までに、公立小中学校の教職員を二○○八―一○年度の三年間で約二万一千人増員する計画を固めました。○八年度予算概算要求には、新たな管理職である「主幹教諭」の配置などを中心に約七千百人増を盛り込みます。
「毎日」(二十三日付)によれば、約七千百人増の内訳は、主幹教諭(約三千六百人)、習熟度別少人数指導の充実(約千九百人)、事務負担の軽減(四百八十五人)、栄養教諭(約百五十人)となっています。
増員予定の八割近くが、安倍首相が掲げる「教育再生」路線=改悪教育基本法や改悪教育三法の具体化の布陣となっています。その一方、教職員の待遇改善のための教職員増を求める声が与野党から上がっていました。
教員定数をめぐっては、小泉前政権下で施行された「行政改革推進法」が、児童・生徒の自然減に見合う数の削減を規定。同省の計画通り教員数を増やすには同法改正も必要とみられ、年末の予算編成まで曲折も予想されます。
教育条件改善の増員を
全日本教職員組合(全教)の東森英男書記長の話 教員増自体は、困難が増す教育現場に「行政改革推進法」で「児童・生徒数の減少を上回る教職員の純減」が押し付けられているもとで、積極性を持つものといえます。
しかし、報道によれば、増員計画のほとんどが、先の国会で強行された改悪教育三法の一つである学校教育法改悪で配置が決められた新たな管理的教員(主幹教諭)や、問題点が指摘されている「習熟度別少人数授業」の拡大のためのものであることは問題です。
これでは、せっかくの教員増が、上意下達の学校づくりや教員の管理強化、あるいは差別選別の教育に使われることになってしまいます。
いま求められているのは、学級担任などを担える教員を増やすことです。一人ひとりの子どもたちの健やかな成長と豊かな教育のために、国の責任による三十人学級実現など教育条件の改善のための教職員定数増が切実に求められています。
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