2007年8月23日(木)「しんぶん赤旗」
「無礼な交付状」返却
元シベリア抑留者、首相に抗議
元シベリア抑留者の代表は二十二日、独立行政法人「平和祈念事業特別基金」の「特別慰労品贈呈事業」で交付された、受取人名も総理大臣名もない「非礼極まりない交付状」を返却するとして、国会内で記者会見しました。その後、六人が首相官邸を訪ね、これまでに届いた十一人分の交付状を返却。抗議とともに、シベリア抑留問題に真剣に取り組むよう要請しました。
福岡県から来た下屋敷之義・全国抑留者補償協議会副会長(81)は、「先の大戦における御労苦に対し心から慰藉(いしゃ)の念を表します」という言葉と「内閣総理大臣」の文字、角印が押されているだけの交付状を受け取り、「政府のいう『心』とは何なのか、考えるほどに腹が立った。絶対に許せない。厳しく抗議し、つき返したい」と怒りを込めて語りました。
寺内良雄会長(83)=栃木県=は交付状の返却とともに、「シベリア抑留問題の全容解明と徹底検証を政府が誤りなく進めていくことを求めていく」とのべました。
首相への要望書は「私たちが求めるのは、シベリア抑留問題に対する長年の不作為についての国の責任者による真摯(しんし)な謝罪と国による補償措置」だとし、「猛省を促し」ています。
代表者らによると、応対した鈴木政二官房副長官は交付状の事実を知らず、「ちゃんとしたものにやり直させる」とのべたといいます。