2007年8月23日(木)「しんぶん赤旗」
電力 綱渡り
東電 17年ぶり工場向け削減
連日の猛暑で首都圏の電力需要がうなぎ上りを続ける中、東京電力の二十二日の最大電力は六千百四十七万キロワットに達し、今夏の最高記録を更新しました。需要急増に対応するため、十七年ぶりに一部工場への電力供給のカットに踏み切ったほか、データ改ざんで国土交通省から水利権を取り消され、停止中の塩原水力発電所を特例で緊急稼働させました。また、福島第一原発の検査再延期や他電力からの追加融通要請などを積み重ね、供給力は六千四百万キロワットを確保しました。
いずれも需給逼迫(ひっぱく)に対応する「最後の手段」で、停電という最悪の事態をギリギリで回避しました。
東京ではこの日の最高気温が三七度に達しました。今夏二位タイの記録。予想以上の冷房需要を喚起し、新潟県中越沖地震による柏崎刈羽原子力発電所の停止で供給力が低下した東電を直撃しました。
二十三日は気温がやや下がる見込みで、塩原水力の稼働や供給カットを行わない方針ですが、月末にかけて猛暑が続く可能性もあり、東電の電力供給は綱渡り状態が続きます。
電気事業連合会は二十二日、電力十社合計の二十一日の発電量が三十四億一千九百九十一万七千キロワット時に達し、一日を通じた発電量の合計としては六年ぶりに過去最高を更新したと発表しました。