2007年8月21日(火)「しんぶん赤旗」
京都法務局が偽装請負
大阪労働局、違法と認定
法律を扱う法務省京都地方法務局や同局から業務委託されている財団法人・民事法務協会(所在地・東京)など四事業所がかかわった「偽装出向」、「偽装請負」が問題となっています。京都地方法務局内で同局発注の業務にたずさわる男性の申し立てで明るみにでました。
大阪労働局は、同法務局をはじめ四事業所に対し、職業安定法で禁じている違法な労働者供給事業と認定。申し立てからすでに約六カ月が経過しており、迅速な是正が求められていますが、いまだ解決していません。
男性が大阪労働局へ申し立てたのは三月。申立書によると男性は、伊藤忠テクノソリューションンズの100%子会社のCRCシステムズ(本社・東京)に一九九五年一月、契約社員として採用され、その後、同じく100%子会社の平成情報サービス(大阪市)や千葉県にある法務省登記情報センターでの研修(法務省実施)を経て同年二月、民事法務協会から京都地方法務局勤務の辞令をうけました。現在までの十二年間、法務局職員と同じ部屋で法務局と同協会の職員の指揮監督をうけて就業。不動産登記の電子化作業以外にも文書のファイル化や電話の取り次ぎなど委託外の業務も行ってきました。
男性は形式上、CRCシステムズから平成情報サービスに「出向」し、さらに同社から民事法務協会に「出向」、民事法務協会の職員として京都法務局バックアップセンターに就労しています。
しかし、「出向」が認められるのはグループ会社間の人事交流や技術指導などに限られています。男性のケースは許される出向には該当しません。法務局と民事法務協会とは業務委託・請負契約であるため、法務局は請負労働者には直接指揮監督できません。
違法状態を告発し、法務局または民事法務協会での直接雇用を求めた男性の申し立てをうけ、大阪労働局は法務局などの立ち入り調査を実施。九日、それぞれ「偽造出向」「偽装請負」の状態と認定し、男性に対して安定した雇用を保障するよう求めました。
男性は「法違反に対して厳しい態度が要求される法務省での法違反は許されません。ただちに私の主張を認め、是正してもらいたい」と話しています。
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