2007年8月21日(火)「しんぶん赤旗」
塩崎官房長官の政治資金疑惑
報告書に二重計上
「職員流用」 訂正届け出
「赤旗」日曜版の追及で明るみに
塩崎恭久官房長官の事務所は二十日、塩崎氏が支部長を務める自民党愛媛県第一選挙区支部の政治資金収支報告書で、政治活動費の領収書を二重に添付するやりかたで計六百二十六万八千八百九十円を二重計上していたことを明らかにしました。これは「赤旗」日曜版編集部が塩崎事務所に今回の二重計上疑惑の支出項目を指摘、同事務所が「調査中」と回答していたもの。同事務所は「事務職員が私的に流用した」と説明しています。
同事務所によると、二〇〇五年分の政治資金で、この事務所職員が政治資金を個人的に流用、その「発覚をふせぐために」二重計上したといいます。同事務所は、この職員を十九日付で懲戒解雇、法的責任も追及するとしています。また、愛媛県選挙管理委員会に政治資金収支報告書の訂正を届け出ました。
塩崎氏の政党支部など政治団体の収支報告書については、「赤旗」日曜版(七月二十二日号)が、(1)事務所費について〇五年分で千三百三十万円の使途不明がある(2)政党支部の事務所費総額が、事務所費とみられる費目を積算した額より少ないという奇妙な実態がある――などと報道。さらに、今回認めた二重計上疑惑についても、質問状を事務所に送付し、回答を求めてきました。
今回の事態について、塩崎長官は「自身の管理・監督責任を深く反省するとともに、徹底した実態解明と再発防止に全力を挙げたい」とコメントしました。しかし、チェックすれば容易に見つけることができる二重計上を指摘されるまでなぜ放置したのか、「赤旗」日曜版が指摘した事務所費疑惑についてもなぜ説明責任をはたさないのか、その姿勢が問われています。(詳報は、日曜版八月二十六日号に掲載します)
■関連キーワード