2007年8月20日(月)「しんぶん赤旗」
イラク北部を砲撃
反体制のクルド人拠点
イラン軍
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【カイロ=松本眞志】イラン軍は十六から十八日にかけて、反体制クルド人組織の拠点の存在を理由にイラク北部を砲撃しました。
カタール紙アッシャルクによると、同軍は十六日早朝からイラク北部のスレイマニヤ州の国境地帯への砲撃を開始。同州バシュデル地区の代表者アハメド氏は「イラン軍の砲撃で大勢の住民が居住地から避難した。自治体は負傷者などを救出する緊急チームを立ち上げた」と語りました。
イラン軍が攻撃の対象としたのは、イランの反体制クルド人組織「クルド自由生活党」。トルコからの分離独立を目指すクルド労働者党(PKK)の分派とされ、米国やイスラエルから支援を受けてイランやイラクのクルド人地域で反政府活動をしているとされます。
イラクの独立系「イラクの声」通信は十八日、クルド自由生活党のメンバーが国境地帯でイラン軍ヘリコプターを撃墜し、同機がイラク領内に墜落したと報じました。
イラク北部のクルド人自治区に対しては、最近トルコ軍がPKKの活動を理由に砲撃を繰り返し、越境攻撃も示唆。イランも国内に約六百万人のクルド人を抱え、トルコと同様に分離独立の動きを警戒しています。
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