2007年8月20日(月)「しんぶん赤旗」
市民がつくった記念碑
“みみちゃん”話題に
非核神戸方式 伝えたい
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三月に神戸市中央区の神戸中華総商会(KCC)ビル前に完成した非核「神戸方式」の記念碑=愛称・平和のみみ(美海)ちゃん=が、市民や神戸を訪れる人たちの注目を集めています。
「非核『神戸方式』の碑」と刻まれた台座に、ブロンズ像―母なる海から平和のメッセージを聞く少女の像―が置かれた碑が目を引きます。立ち止まって眺めたり、写真を撮る通行人の姿もみられます。
「世界中の海から平和の声を聞くみみちゃんの一生懸命な姿勢が伝わってくる、いい像だと思う。みんなが目にして、平和を考える機会になればいいなと思いました」
神戸を訪れた、横浜市神奈川区の女性=福祉施設勤務=はいいます。
東京都羽村市の女性=中学校教師=も、「授業で『これ何の像だと思う』と生徒に写真を見せて、非核『神戸方式』を考えるきっかけにできる」と、記念碑を見ての感想を語ります。
記念碑は、非核「神戸方式」を広く市民に定着させるとともに、全国と世界にアピールしようと市民が建立したものです。
全国の教師から「就学旅行のコースに入れたいのだけど、非核『神戸方式』の施設はないの」といった問い合わせが、兵庫や神戸の教職員組合に多くあり、こうした声に応えようとしたのがきっかけです。全神戸労働組合センター(センター神戸)が中心になって発足した記念碑建立実行委員会が建立募金を集め、ことし三月に落成。台座に非核「神戸方式」のもとになった市議会決議を日本語・英語・中国語・ハングルで書きこみ、彫刻家の廣嶋照道さんがブロンズ像を制作しました。
実行委員会は神戸市に「市有地に設置を」と要請していますが、市が応じないため、当面の間、現在の場所に設置されています。
四方田(よもた)文夫・実行委代表委員は「芸術的にも優れた記念碑なので、立ち止まってみみちゃんをみて、決議を読んで、非核『神戸方式』を知る人が多い。『神戸方式』を広げる非常に大きな力になっています。神戸の新しいすてきな名所です。ぜひ全国の人に見てほしい」と話しています。
実行委員会は、「みみちゃんTシャツ」を神戸市元町の海文堂書店で販売しています。問い合わせ先=078・391・1909、実行委員会。
非核「神戸方式」 神戸港に入港する外国軍艦に非核証明書提出を義務づけ、提出しなければ入港させない措置。75年3月に市議会が全会一致で採択した「核兵器積載艦艇の神戸港入港拒否に関する決議」にもとづくもの。実施以来、米軍艦は一隻も入港していません。