2007年8月18日(土)「しんぶん赤旗」

安倍首相 ひとりよがりの内閣改造

世論は「首相続投反対」


 安倍晋三首相は十七日から二日間の短い「夏休み」に入りました。「来週は海外出張がありますし、選挙の結果を受けて、国民の声をどう政策に反映させていくかということも、この時期にじっくり考えたい」(十六日付配信の「安倍内閣メールマガジン」)と、二十七日に予定する内閣改造・自民党役員人事の構想を練る構え。参院選大敗で退陣を突きつけられた安倍首相の内閣改造はひとりよがりの感を否めません。

 「私一人で決めないといけない」。安倍首相は十三日、内閣改造・党役員人事を記者団に問われ、自らの判断で行う考えを強調しました。森喜朗元首相が福田康夫元官房長官らの処遇を求めていることについても「私自身、熟慮して断行する」(同)と安倍カラーを捨て去る姿勢はありません。

 しかし、「人心一新が必要」と内閣改造を打ち上げながら、自らは早々と続投を宣言した安倍首相に注がれる国民の目線は厳しいものがあります。NHKの世論調査(八月十日〜十二日実施)では、安倍首相の続投に40%が「反対」で「賛成」の25%を大きく上回り、内閣改造についても「期待しない」は53%と半数を超えます。

 参院選の与党大敗の根本に「自公政治の内政、外交の深刻なゆきづまりと、それへの国民の深い批判と怒りがある」(日本共産党の志位和夫委員長)もとで、首をすげかえる小手先の内閣改造では国民は納得できないことを示しています。それも分からず、「一人で決める」と内閣改造に固執する安倍首相の姿勢はまったくひとりよがりです。

 一方、内閣改造を前に自民党内では参院選直後にあった首相退陣論は消えうせ、「安倍首相が(続投を)発言してしまった以上、とやかくいう段階ではない」(額賀福志郎元防衛庁長官)、「首相がいばらの道を歩むと言っている時に、党内で駆け引きは適当ではない」(伊吹文明文部科学相)と各派閥幹部は「挙党態勢」を強調。「上手に人を使って、トータルとしてうまくいくようにすることが最高のリーダーシップだ。それが自民党の伝統的手法だ」(野田毅元自治相)と、派閥の均衡や有力者の処遇を重視した古い自民党の姿があらわれつつあります。

 内閣改造・党役員人事では麻生太郎外相らの名がとりざたされるなど、日本の過去の戦争を正しかったとする「靖国」派で通じる「お友だち内閣」ぶりもなくなっていません。


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