2007年8月16日(木)「しんぶん赤旗」
自爆テロ 200人死亡
イラクで今年最大の犠牲
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【カイロ=松本眞志】イラク北部ニネベ州で十四日、ヤジディ教徒のクルド人を標的にしたとされる同時多発自爆テロが起き、地元自治体当局者は十五日、死者が二百人に達したことを明らかにしました。
イラクで一度に発生したテロとしては、昨年十一月に首都バグダッドのイスラム教シーア派地区サドルシティーで二百人以上が死亡した連続自動車爆弾テロに匹敵する最悪の被害となりました。
事件は、州都モスルから西方百二十キロのハタニヤ村近郊で発生。燃料タンクを搭載したトラック計四台が住宅地域で爆発したとされます。
事件の背景に関する詳しい情報はありませんが、現地の警察は、イラクとシリアの国境地帯に住むイスラム教よりも古いヤジディ教(ゾロアスター<拝火>教系)を信仰するクルド人を狙ったものとの見方を示しています。国際テロ組織アルカイダによる犯行との指摘もあります。
ヤジディ教は、イスラム教スンニ派から異端扱いを受けてきた歴史があります。最近も、結婚を前にイスラム教に改宗したヤジディ教徒の女性が親族に殺害されるなどの事件が起きています。
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