2007年8月14日(火)「しんぶん赤旗」
テロは共通の脅威
アフガンで「大会議」
パキスタン大統領訴え
【ニューデリー=豊田栄光】パキスタンのムシャラフ大統領は十二日、アフガニスタンの首都カブールを訪問し、両国間で対テロ対策を話し合うジルガ(大会議)に出席しました。初日の九日に欠席した同大統領への批判が高まったため、最終日に急きょ参加し、演説しました。
ムシャラフ大統領は、「ジルガは、テロが両国の共通の脅威であり、テロとのたたかいは国の不可欠の政策でありつづけなければならない、との事実を強く認識させた」と語り、「両国にとって平和と団結、信頼と協力以外の選択肢はない」と訴えました。
またムシャラフ大統領は、「軍事活動は社会と経済の発展と同時に行われなければならない」と指摘し、有識者や地元リーダーの地域での活動、協力が必要だと説きました。
ジルガは、英国が引いた国境で分断され、現在は両国に居住するパシュトゥン人が伝統的に開催していた長老会議です。アフガンの旧政権勢力で現在、アフガン各地で大攻勢をかけているタリバンは、パシュトゥン人が主体の組織。パキスタン領内にも拠点を設けているといわれます。
二〇〇一年の米軍アフガン攻撃によりタリバン政権が崩壊するまで、パキスタン政府はタリバン政権と国交を持っていました。このため、アフガン政府は、パキスタン政府がタリバンを裏で支援しているのではないかと疑い、たびたび国境地帯での掃討作戦の強化を要求してきました。