2007年8月4日(土)「しんぶん赤旗」

労働生産性は上昇

賃金は低下

労働経済白書07年版


役員給与は急増

 厚生労働省が三日に発表した二〇〇七年版「労働経済白書」は、二〇〇〇年代に入って、労働生産性が上昇しているもとでも労働者の実質賃金はあがらず、労働時間も短縮されておらず、他方で、株主への配当、役員給与や内部留保が急増していると指摘しました。

 同白書によると、一九八〇年代には労働生産性が2・8%上昇し、そのうち1・6%が実質賃金の上昇に、0・2%が労働時間の削減分に使われたと分析。九〇年代には労働生産性上昇1・4%分が実質賃金上昇に0・2%、労働時間削減に1・1%使われました。

 それに比べて、二〇〇〇年代には労働生産性が1・7%上昇したのに、その上昇分のうち、実質賃金ではマイナス0・1%となり、労働時間の削減分で0・1%が使われたにすぎません。

 安倍・自公政権は、“格差を固定化しないためにも経済成長が必要”などとしていますが、これとは反対に経済成長の成果が労働者に分配されていないことを政府が認めたことになります。

グラフ

 労働生産性 労働者一人当たりが、商品などに新たに付け加えた価値額(付加価値額)のことをいいます。一国の付加価値額の総額は国内総生産(GDP)です。



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