2007年8月3日(金)「しんぶん赤旗」

日本は医師少ない

OECD加盟30カ国中27位

「政府政策が原因」と指摘


グラフ

 日本の人口千人あたりの医師数は二・〇人(二〇〇四年)で、経済協力開発機構(OECD)に加盟している三十カ国中二十七位であることが、同機構がまとめた「ヘルスデータ二〇〇七」でわかりました。OECD平均の三・〇人を大きく下回り、主要七カ国では最も少ない数です。

 OECDは、日本の医師数が少ないことについて「医学部の入学定員の上限を固定している政府の政策が原因の一つ」だと指摘。また、OECD諸国の医師数の増加ペースが鈍っていることについて「多くの国が一九八〇年代から一九九〇年代にかけてコスト削減措置を導入し、医学部への入学者数を制限して新医師数を減らすいわゆる『入学定員制限』政策をとった結果」だと警告しています。

 一年間に医師の診察を受ける回数をみると、日本は国民一人あたり十三・八回(〇四年)で、データがある二十八カ国の中で最多でした。少ない医師で多くの患者を診察していることがわかります。

 日本の一人当たり医療費(各国の物価を調整した購買力平価換算)は二千三百五十八ドル(同年)で、三十カ国中十九位。総医療費はGDP(国内総生産)比8・0%で、三十カ国中二十二位でした。政府は、「医療費を抑制する必要がある」として、患者負担増などの改悪を繰り返し実施していますが、日本の医療費はすでにOECD平均を下回る低い水準に抑えられています。

 予防医療では、乳がんの発見に役立つ乳房エックス線撮影(マンモグラフィー)を過去一年間に受けた五十―六十九歳の女性が、日本では4・1%(同年)で、平均(53・4%)を大きく下回って最下位でした。子宮頸(けい)がん検診を受けた二十―六十九歳の女性の割合も23・7%(同年)で、最低でした。

 一方、高額な医療機器の設置数をみると、日本は人口百万人当たりの磁気共鳴画像診断装置(MRI)の設置数は最多の四十・一台(〇五年)で、二位のアメリカ(二十六・六台)の一・五倍。OECD平均(九・七台)を大きく上回っています。コンピューター断層撮影装置(CT)も日本は九十二・六台(平均二十・四台)で、圧倒的に多くなっています。

計画的増員を要求 共産党

 日本共産党は、「医学部定員の削減」を閣議決定して医師養成を抑制してきた政府の対応を批判。この路線を改め計画的な医師増員をおこなうことを求めています。とくに医師不足が深刻な地域の医学部の定員増や、自治医大の定員増など医師数の抜本増を要求しています。



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