2007年8月1日(水)「しんぶん赤旗」
「ネットカフェ難民」「タクシー難民」増
運転者の大半、最賃以下
全労連など 時給1000円以上へ行動
「最低賃金の千円以上への引き上げは、参院選で示された世論だ」
全労連と国民春闘共闘、公務労組連絡会は七月三十一日、厚生労働省と最低賃金の引き上げ目安額を議論している中央最低賃金審議会に対して、時給千円以上への引き上げを求めました。
「ネットカフェ難民と言われるが、タクシーの場合はタクシー難民だ。低賃金のためにアパートを借りられず、自分が運転するタクシーの中で寝泊まりする人も多い」
自交総連の代表は、長崎県のタクシー労働者の平均賃金は時給にすると五百七十二円で、最低賃金すら下回っており、「大半の労働者が最賃以下だ」と指摘しました。
建交労の代表は、「ダンプ労働者は一回の輸送で燃料代などを引くと四、五千円にしかならない。時給にすると八百円を切る。荷物を一度に二、三倍積んで無理な走行をしている」とのべ、「これでは安全輸送にもかかわる。最低賃金を何としても千円以上にしてほしい」とのべました。
国公労連の代表は「職場は非正規労働者で支えられている。最低賃金ぎりぎりの低賃金で、公務の職場がワーキングプア(働く貧困層)を生んでいる」と指摘。自治労連の代表も不安定雇用の自治体職員が増えており、公共サービスを危うくしかねないとのべ、安定雇用や最低賃金の引き上げなど待遇改善が求められていると訴えました。
組合員が「最賃千円をめざし、今年は百円以上の引き上げを」と求めるなか、全労連の小田川義和事務局長は、「参院選で、『構造改革』がもたらした格差と貧困に対する国民の激しい怒りの審判が下された」と強調。多くの国民が格差と貧困の解消を求めており、「時給千円要求に背を向け続けることは許されない」と訴えました。
これまでの審議で、厚労省は時給十三円から三十四円の引き上げ幅を提示していますが、それでは最高でも時給七百七円にしかなりません。
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