2007年7月31日(火)「しんぶん赤旗」
北九州餓死事件
はよ死ねということか
検証委員会に男性の日記
委員長「孤独感随所に」
北九州市小倉北区で生活保護の「辞退届」を提出し保護を廃止された男性(52)が餓死した事件などの検証をしている同市の生活保護行政検証委員会が三十日に開かれ、亡くなった男性の日記とケース記録、男性が自筆で書いたとされる「辞退届」などが資料として委員らに示されました。
出席した委員らによると、亡くなった男性の日記には、生活保護廃止後の四月から五月にかけて、「せっかくがんばろうと思った矢先に(生活保護を)切りやがった。生活困窮者は、はよ死ねということか」など、同市の生活保護行政に対し不満を示す記述が四カ所ありました。「身体がきつい。苦しい。どうにかして」「オニギリ食いたい」「二十五日(間)コメ食ってない」など健康状態にたいする苦痛や飢えを訴える記述も複数ありました。
一方、一部黒塗りの状態で配布されたケース記録には、男性の生活保護廃止(四月)以前の就労指導の状況などが記載されています。二月二十三日の同記録によると、男性は二月に二回、ハローワークに通っていました。しかし、面接までいかない男性に対し、「熱心な求職活動を行わなければ、文書指示を行い、保護の停廃止もありえる旨を説明」などの指導をしていました。
検証委員会の会合後、記者会見した稲垣忠委員長は、「日記には、亡くなった男性の強い孤立感、孤独感が随所に、にじみ出ている」と強調。同市の対応についても、「(保護の廃止時に)男性が健全な状態であったとは思えない」と語りました。
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