2007年7月31日(火)「しんぶん赤旗」

主張

参院選結果

暴走政治に下った国民の審判


 参院選挙の結果、自民党は改選議席を大幅に割り込む歴史的大敗を喫し、公明党も議席を減らして、非改選とあわせても過半数を下回ることになりました。発足いらい十カ月、暴走に暴走を重ねてきた安倍自公政権への、国民の厳しい審判です。

 日本共産党は比例代表で一議席減ですが、得票数では前回、前々回を上回る四百四十万を超す支持をいただき、三議席を獲得しました。選挙区では議席の確保や回復にいたりませんでしたが、東京や大阪、京都で得票を伸ばすことができました。日本共産党を支持していただいたみなさんに、心から感謝します。

新しい政治への探求

 自民、公明の政権与党が大幅に議席を減らした今度の参院選の結果は、首相や個々の閣僚の失敗や不祥事にたいするものにとどまらず、安倍自公政治の大もとに向けられた審判です。「靖国」派が中心に座り、過去の侵略戦争を正当化し、貧困と格差を耐え難いまで拡大した安倍自公政治には、もう国民の暮らしも、日本の前途もゆだねるわけにはいかないという国民の意思は明らかです。

 安倍首相は、年初から憲法改定を参院選の争点にすると宣言し、実際の選挙戦では公約の第一に改憲を掲げました。国民はこれに明確な「ノー」を突きつけたのです。

 参院選挙の焦点となった年金、庶民増税、貧困と格差拡大、「政治とカネ」、憲法改悪など、どの問題でも自公の暴走に立ちはだかったのは日本共産党です。日本共産党の論戦が、自公政治を追い詰める上で、少なからぬ力を発揮しました。

 たとえば「宙に浮いた」年金記録問題で日本共産党の追及は、すべての年金受給者・加入者に政府の持つ記録を送る「一億人レター作戦」の実現に道を開くという形で、現実政治を動かしています。選挙中大きな争点に浮上した消費税増税問題では、日本共産党の追及が口火を切る形となり、安倍首相は言い訳にまわり、増税を選択肢にしていることを明らかにしました。

 改憲問題でも、九条改憲は「アメリカと肩を並べて」海外でたたかうためではないかという日本共産党の追及に、安倍首相は反論することができませんでした。消費税でも憲法でも、自公の悪政に対決する日本共産党の役割は明白です。

 国民は、もう自公の枠組みには日本の前途は任せられないという意思を明確に示しましたが、新しい政治をどう切り開くのか、政治の中身をどうするのかについては、国民の選択が明らかになったということではありません。新しい政治の中身を探求する、新しい時代が始まったことを意味しています。

 日本共産党は、自公政治に対決する明確な立場と信念を表明してきた党として、国民の声にこたえるため全力を挙げます。

安倍内閣の退陣は当然

 国民が下した厳しい審判にもかかわらず、安倍首相は選挙後の記者会見で、首相として続投し、「改革」路線を継続し、「新しい国をつくっていく」などと表明しました。言語道断です。安倍首相が選挙結果を重く受けとめるなら、退陣こそ取るべき道です。

 政治的激動の時期を迎え、自公の政治と対決する、日本共産党の役割は、いよいよ大きくなります。この選挙で掲げた公約の実現のため力をつくすとともに、次の国政選挙の機会では、政治の本当の改革、変革の党として必ず前進・躍進できるよう、力をつくす決意です。


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