2007年7月29日(日)「しんぶん赤旗」
共同体の草案 焦点に
ASEAN外相会議きょうから
気候変動・温暖化も議題
【マニラ=井上歩】東南アジア諸国連合(ASEAN)は二十九日から当地で四十回目となる外相会議を開きます。一九六七年に発足したASEANの四十年と、二〇一五年に実現をめざすASEAN共同体に向けた取り組みを評価します。ASEANは共同体の最高規範となる「ASEAN憲章」の草案づくりを進めており、十一月の首脳会議での採択を目指しての協議が一つの焦点となります。
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会議では、気候変動・温暖化問題も、海面上昇・陸地消失や災害の原因となる脅威として、議題になる見通し。新憲法制定に向け国民会議を再開したミャンマー軍事政権が各国に対して民主化をどう説明するかも注目されます。
シンガポールのジョージ・ヨー外相は十九日、地元テレビに対し、憲章の草案づくりは「いくつか解決しなければならない問題があるが、いい前進を得ている」と今年末の採択に自信を示しました。気候変動が地域に影響するとの見方も示しました。
ことし一月の首脳会議は、憲法起草で賢人グループが打ち出した不干渉政策の修正、安全保障など重要分野を除く問題での採決制度の導入、憲章違反への権利停止措置の導入などの指針案を承認しました。ただ各国関係者は、全会一致制と内政不干渉原則の大幅な変更を否定しています。
草案は外相会議を前に高級作業部会で協議され、二十七日に会見したフィリピン外務省スポークスマンは、同部会でフィリピンが憲章に人権についての規定を盛り込むよう主張したものの、各国間で意見の違いがあったことを明らかにしました。
このほか、各国外相はエネルギー安全保障、移住労働者の権利保護、災害対策、鳥インフルエンザ対策などを協議します。
地域の安全保障を話し合うASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会議も二日から開かれ、北朝鮮の朴宜春外相が初めて参加します。朝鮮半島非核化や核不拡散を焦点に、北朝鮮の核施設の稼働停止と六カ国協議の継続を歓迎する声明を出す予定です。
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