2007年7月28日(土)「しんぶん赤旗」
人質解放条件で協議
韓国特使、アフガンに
盧武鉉・韓国大統領の特使としてアフガニスタンに派遣された白鐘天・統一外交安保政策室長は二十七日、武装勢力タリバンに拉致されている韓国人二十二人の人質解放に向け、タリバンの要求受け入れなどをめぐりアフガニスタン政府との協議に入りました。
白特使はカルザイ・アフガニスタン大統領に盧大統領のメッセージを伝え、残された人質全員の解放に協力するよう要請します。
タリバンは人質解放の条件として要求していたメンバーの釈放をアフガン政府が受け入れなかったとして、二十五日に韓国人牧師を殺害。その後、交渉の「最終期限」を二十七日正午(日本時間同日午後四時半)に設定しましたが、期限後も交渉は続いています。
韓国各メディアによると、韓国政府はタリバンのメンバー釈放要求に柔軟に対応するようアフガン政府に求めていますが、アフガン側は難色を示しているといいます。
また、タリバンのメンバーを釈放するためには、アフガン駐留多国籍軍の中心である米軍の同意が必要ですが、「対テロ戦争」を進めている米国にタリバンの要求を認めさせるのは容易ではないとみられています。
事件が長引くにつれ健康状態が悪化している人質が出ています。このため韓国政府は、必要な医薬品や生活必需品などを人質に届けることができるよう、アフガン政府の協力を求めています。
一方、殺害された牧師ペ・ヒョンギュさんの遺体はカブールのバグラム米空軍基地に安置されています。航空便の手配が着き次第、韓国に運ばれる予定です。