2007年7月27日(金)「しんぶん赤旗」
高齢者 医療費ズシリ
自公が改悪 来年4月から
来年四月から、お年寄りの医療費負担が大きく変わります。七十五歳以上を対象にした「後期高齢者医療制度」が始まると同時に、七十―七十四歳のお年寄りは二割負担に。六十五歳以上は、国民健康保険料が年金から天引きされます。昨年六月の医療改悪法で、こんな「お年寄りいじめ」の政策を決めた自民、公明両党の責任は重大です。
75歳超も保険料
来年四月から、七十五歳以上は、いま加入している国民健康保険や組合健康保険などから抜けて、後期高齢者医療制度に入ることになります。約千三百万人が対象になります。
新制度では、七十五歳以上のすべての高齢者が保険料を支払わなければなりません。現在、子どもの扶養家族になっていて保険料負担がない高齢者も、例外ではありません。
保険料の額はこれから、都道府県ごとに決められます。厚生労働省は一人あたり平均で月六千二百円、年間七万四千円になると試算しています。
年金から天引き
年金を月一万五千円以上受けている人は、保険料が年金から天引きされます。「保険料を確実に徴収するため」(厚労省)です。七十五歳以上のうち、八割程度の人が天引きの対象になります。
すでに年金から天引きされている介護保険料(平均で月四千九十円)と合わせると、平均で月一万円を超える保険料が年金から自動的に引かれてしまいます。
しかも、これに便乗して、六十五歳以上の国民健康保険料も、来年四月以降は年金から天引きされることになります。
窓口負担倍増に
後期高齢者医療制度の導入とあわせて、来年四月から、七十―七十四歳の窓口負担も、現行の一割負担から二割負担に引き上げられます。「現役並み所得」(夫婦二人世帯で年収五百二十万円以上)の人は医療改悪法によって、昨年十月から三割負担にされています。
保険証取り上げ
負担増だけではありません。保険料が払えない高齢者から保険証を取り上げることまで始めようとしています。
いまは、七十五歳以上の人の場合、国保料を滞納しても保険証は取り上げていません。しかし四月からは、滞納した人は、七十五歳以上であっても、容赦なく資格証明書を発行して保険証を取り上げます。
資格証明書では、病院の窓口で、かかった医療費を全額(十割)払わなければなりません。貧困で苦しむお年寄りから、医療までも奪い取るものです。
共産党、改悪制度の全面見直し訴え
日本共産党は、後期高齢者医療制度の創設を盛り込んだ医療改悪法案に対して、「高齢者に対する過酷な保険料取り立てと差別医療の押し付けになる」ことを追及し、きっぱり反対しました。参院選政策では「制度の全面見直し」を訴えています。
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