2007年7月25日(水)「しんぶん赤旗」

借金自殺 水際で防ぐ

サラ金被害者ら看板

青木ケ原樹海


写真

(写真)自殺防止看板を設置する全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会の会員ら=24日、山梨県・青木ケ原樹海

 「借金の解決は必ずできます! まずは相談しましょう」―。自殺者が多いことで知られる青木ケ原樹海の入り口(山梨県)に二十四日、自殺防止を呼びかける看板二基が設置されました。立てたのはサラ金被害者らでつくる全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会(被連協)。看板に書かれた専用の電話番号で、二十四時間体制で相談を受け付けます。

 多重債務による自殺が後を絶たないため、「水際」で相談窓口に誘導しようという取り組み。

 この日は、被連協会員らが、樹海の入り口にあたる山梨県富士河口湖町と同県鳴沢村の遊歩道脇に穴を掘り、幅一メートル、高さ一・五メートルの看板二基を設置しました。「私たちも助かりました」と、債務者への呼びかけ文が書かれています。相談電話(03・3255・2400)は、夜間も転送で対応します。

 被連協は今年一月、初めて樹海に看板を設置しましたが、県の許可をめぐって三月にいったん撤去。県への要請を重ね、土地利用許可を受けてあらためて設置しました。

 一月から三月にかけて、樹海から二十人以上が「看板を見た」と電話をかけてきました。ほとんどが支払い義務のない灰色金利を払い続け、過払い金が発生していたケースで、「自殺する必要などなかった人たち」(本多良男・被連協事務局長)でした。

 看板設置の準備をしていた四月にも、付近で借金を抱えた男性が遺体で発見されたといいます。作業に参加した吉田豊樹・被連協事務局次長は「借金なんかで死ぬ必要はない。相談先があることを知ってほしい」。宇都宮健児弁護士は「自殺問題対策の面からも、多重債務者救済に取り組むことは重要」と語りました。

 被連協は今後、東尋坊(福井県)や足摺岬(高知県)など、各地の「自殺多発地」に看板を設置する方針です。



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