2007年7月24日(火)「しんぶん赤旗」
貧困・格差政策 各党にみる
共産 打開方向示す
自公 言葉すらなし
民主 格差いうだけ
「世界第二の経済大国」といわれる日本で「難民」と呼ばれる人たちが広がるなか、「貧困と格差」をどう解決するかが、参院選で問われる大テーマです。ところが、参院選の各党公約では、自民党・公明党は「格差」も「貧困」という言葉すらなし。民主党は、「格差」には触れていますが、「貧困」問題には目を向けていません。日本共産党は「貧困」問題を直視し、その打開の方向を明確に示しています。
「命の格差」では
日本共産党は、「ストップ貧困、命を守る―緊急福祉1兆円プラン」(別項)を掲げ、「医療難民」「介護難民」を生み出す事態を一刻も早く解決することを訴えています。
高すぎる国民健康保険料は、「貧困と格差」のもっとも深刻な現れです。滞納世帯は国保加入世帯の二割にあたる四百八十万世帯、保険証を取り上げられた世帯は三十五万世帯にのぼります。保険証がないため、病院にかかれず、命まで奪われる事態が全国で起きています。
だからこそ日本共産党は、「命の格差」があってはならないと「国の責任で一人一万円の国保料値下げを行い、保険証の取り上げをやめさせる」を緊急政策として掲げたのです。ところが、他党政策には、国保証の取り上げの中止についても、国保料の引き下げにもまったく触れていません。
なぜか。各党とも国保証取り上げを推進した過去があるからです。一九九七年十二月の国民健康保険法改悪。国保料滞納者にたいする国保証取り上げ(資格証明書発行)を地方自治体に義務付けた改悪ですが、当時の自民・社民・さきがけの政権が提案し、民主党が賛成しました。
「介護難民」を生み出したのは、二〇〇五年の介護保険法改悪です。
自民・公明の与党は、介護にたいする公的支出の抑え込みを狙い、「軽度者サービス切り捨て」「施設利用者負担増」の改悪案を提案。民主党も「本改正案で示された高齢者介護の将来像は支持できる内容だ」(山本孝史議員、〇五年六月十六日の参院厚生労働委)などと賛成しました。この改悪が「介護崩壊」(『エコノミスト』十七日号)といわれる事態に拍車をかけているのです。
「命綱」までも
母子家庭・ひとり親家庭は、百四十万世帯をこえて急増し、約六割が国際的な貧困水準以下の暮らしです。ここに手を差し伸べるのが、政治の責任なのに、政府は母子家庭への児童扶養手当を来年四月から大幅に削減しようとしています。
これを決めたのは〇二年の母子寡婦福祉法等の改悪です。自公両党は「母子家庭の自立促進」を口実に改悪を推進。民主党も賛成しました。
「貧困」と「難民」を深刻化させた各党の責任は重大です。民主党は「格差問題へのセーフティーネット」を強調しますが、これまで見たように、社会保障の「安全網」を破壊してきたのです。
「貧困」「難民」を生み出す政治ときっぱり対決し、その解決策を示す日本共産党の議席が大きくなることこそが求められています。
共産党の 緊急福祉1兆円プラン
(1)国保料の年1人1万円引き下げ
(2)介護保険の保険料と利用料の減免拡充
(3)子どもの医療費無料化を国の制度に
(4)障害者自立支援法の「応益負担」撤回
(5)生活保護の切り捨て中止、児童扶養手当削減中止
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