2007年7月23日(月)「しんぶん赤旗」
庶民を思いやる心が自公政治には欠けている
NHK各党討論 市田書記局長が批判
日本共産党の市田忠義書記局長は二十二日のNHKの討論番組参院選特集「各党討論」に出演し、参院選の争点について各党代表と討論しました。このなかで市田氏は「庶民には増税、大企業には減税」という逆立ち税制を進めながら、その一方で「インターネットカフェ難民」と呼ばれる若者の増大など貧困の実態を告発し、「結局、いまの自公の政府には、庶民を思いやる心が欠けている」と批判しました。
消費税増税 白紙委任は許されない
市田氏は、安倍首相が「消費税を上げない可能性もある」と述べながらも、増税を明言せずにごまかしていると指摘。消費税が導入時にも増税時にも国民の審判を仰がれていないことを批判し、日本共産党として消費税に反対だが、「(増税するのなら)審判を仰いでからやるのが民主主義の姿。白紙委任は許されない」と主張しました。
自民党の中川秀直幹事長は、「消費税の議論からは逃げない。秋の議論というのは、消費税増税先にありきではなく、そういう議論も含めて、抜本的議論をしようといっている」と否定しませんでした。
市田氏は、ムダな大型公共事業やグアムへの米軍基地建設など軍事費を削減し、逆立ち税制を改めれば、社会保障充実のための財源はあると強調し、日本共産党の「緊急福祉1兆円プラン」を紹介。自公政治のもとで、「難民」と呼ばれる人たちが増大していることを指摘し、「毎日、いすの上で寝泊まりしながら、日雇い派遣に出ていく若い人がどれだけ増えているか、実態を見るべきだ。それで成長だというのは、国民の思いからかけ離れている」と批判しました。
また、雇用が良くなったという与党の宣伝に対し、非正規雇用の増大とともに、企業倒産も「不況型倒産」が圧倒的になっていることを述べ、「これで『成長』が実感できるわけがない」と批判しました。
中川幹事長は「(指摘は)重く受け止める」と述べつつ、「分配するパイを増やさないといけない」と述べ、あくまで大企業の「成長」を最優先する立場を示しました。
公明党の北側一雄幹事長は「たしかに大企業から家計へ、中小企業へ、果実をいかに及ぼしていくかは知恵を出さないといけない」と述べ、「果実」が及んでいないことを認めざるをえませんでした。