2007年7月22日(日)「しんぶん赤旗」

ニカラグア革命勝利28周年

世界は新たな好機

オルテガ大統領 米軍撤退求める


 【メキシコ市=松島良尚】中米ニカラグアの首都マナグアで十九日、独裁政権を打倒したサンディニスタ革命勝利二十八周年記念集会が開かれ、二十万人以上が参加しました。サンディニスタ民族解放戦線党(FSLN)は毎年、式典を開いていますが、同党を与党とするオルテガ政権が今年一月に発足してから初めての記念日です。

 オルテガ大統領は、「資本主義はわれわれをうまく支配するためによく団結しているが、いま世界は新たな好機にある。中南米とカリブ海諸国や欧州、米国の国民はイラクからの米軍撤退を一致して求めている。新たな勝利に向かって前進しよう」と諸国民の団結を呼びかけました。

 集会には、ベネズエラのチャベス大統領はじめ、パナマとホンジュラスの大統領も出席しました。

 チャベス大統領も、「団結だけが中南米諸国民を自由にできる。帝国はわれわれを分断、弱体化して常にその目的を達成してきたが、いま米州ボリバル代替構想(ALBA)という夜明けのときがきた」と強調。オルテガ政権のもとでニカラグアも加盟した連帯と補完に基づく地域統合の重要性を訴えました。

 ニカラグアでは、米国がひ護していたソモサ独裁政権が広範な国民のたたかいを背景に一九七九年に打倒され、FSLNが臨時革命政権を樹立。米国が干渉を強め、反政府武装勢力を支援したことから、内戦状態が九〇年まで続きました。オルテガ氏は革命後初の八四年の大統領選で当選しましたが、九〇年の選挙で敗北。昨年十一月の選挙で十六年ぶりに復権しました。

製油所の建設始まる

ベネズエラと共同

 【メキシコ市=松島良尚】ニカラグアで二十日、同国のオルテガ大統領とベネズエラのチャベス大統領の出席のもと、米州ボリバル代替構想(ALBA)に基づいて両国が共同建設する製油所の定礎式が行われました。

 製油所は、両国の合弁企業アルバニサが首都マナグアから西へ七十キロのプエルトサンディーノに建設します。一日当たりの製油能力は十五万バレル。

 チャベス大統領は、「帝国主義者はALBAには実体がないというが、皆さんはそれを実際に目にすることになる」と述べました。同大統領は、製油所が完成すれば、原油高騰に悩まされているニカラグアのエネルギー問題が解決するだけでなく、石油輸出で年間七億ドルの利益が見込めると強調しました。

 ニカラグアは、オルテガ政権発足前から、革新自治体を中心に石油供給や識字運動などでALBAの恩恵を受けています。革新市政であるマナグアの市長は十八日、キューバの援助によるこの二年間の識字運動によって非識字問題を克服したと宣言しました。

 協力と連帯、補完に基づく地域統合構想ALBAには、ベネズエラとニカラグアのほか、キューバとボリビアが加盟しています。


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