2007年7月21日(土)「しんぶん赤旗」

「アルツハイマーの人でも分かる」

麻生外相がまた暴言


 麻生太郎外相は十九日、参院選候補者応援のため訪れた富山県高岡市で講演し、日本の農産物輸出に関し、「七万八千円と一万六千円はどっちが高いか。アルツハイマーの人でも分かる」などと述べました。日本のコメが中国で日本国内よりも高値で流通していることを例に、農産物の輸出を奨励したものです。

 麻生外相は二十日午後、「アルツハイマー」を引き合いに農産物の輸出を奨励する発言をしたことについて「例え話で不適切なものがあった。発言を撤回し、不快な念を持たれた関係者におわびする」と陳謝しました。外務省で記者団に語ったもの。

 塩崎恭久官房長官は同日の記者会見で、外相発言について「的確性に欠けていた」と述べました。また、「麻生氏自ら発言が不適切だったと認め、関係者に不快感を与えたことに謝罪したと理解している」と述べ、官邸として特段の対応は考えていないことを示唆しました。

麻生氏が大臣としてとどまることは許されない

志位委員長

 日本共産党の志位和夫委員長は二十日、仙台市でおこなった記者会見で、前日の麻生太郎外相による「アルツハイマーの人でも分かる」との発言について記者団に問われ、「閣僚としての資格と資質にかかわる重大な発言」と糾弾し、「大臣としてとどまることは許されない」と強調しました。

 志位氏は、「アルツハイマーという病気を患った方々の人格と尊厳を否定する、本当に許し難い発言で、撤回してすむ話ではない」と強調。人間は心に思っていないことは言葉に出ないもので、今回の発言は、麻生氏が、アルツハイマーで苦しんでいる人々にたいする差別ともいえる考え方を持っているからこそ出た発言で、撤回で許されるものではないと重ねて批判しました。

 さらに志位氏は、柳沢厚労相の「女性は産む機械」発言、久間前防衛相の「原爆投下はしょうがなかった」発言、そして今回の発言と、繰り返し閣僚の暴言がつづき、しかも安倍首相が問題視せずかばいつづけている実態を告発しました。

 「この内閣は最小限の政治モラルも持ち合わせておらず、これは歴代内閣のなかでも飛びぬけてひどい」とのべた志位氏は、「このような内閣が子どもたちに価値とか規範意識とか道徳とかを説く資格はさらさらない。政治モラルのひどさ、これはこれまでの内閣の中でも飛びぬけてひどい」とし、「本当に欠陥内閣だ」と強調しました。


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