2007年7月19日(木)「しんぶん赤旗」

外国企業に石油管理権譲渡

労組が抗議のデモ

イラク南部


 【カイロ=松本眞志】イラク南部の都市バスラで十六日、現地の労働組合が政府の決定した石油法案に反対する数百人規模の抗議行動を行いました。イラクの独立系通信社「イラクの声」が報じたものです。

 組合側の広報担当を務めるマズバン氏は、政府が三日に閣議決定した石油法案が契約を通じて外国企業にイラクで石油精製施設の設立や投資の権利を三十年間保証し、イラクの資源の搾取を認めるものだと強調。その割合はイラクの全石油資源の三分の二ともいわれています。

 労組幹部のフセイン・ファデル氏は「バスラの全労働組合員がデモに参加し、石油労組との連帯を示して石油法案と燃料費値上げの政府決定の検討を要求した」と語りました。

 米国の平和団体「平和と正義のための連合」も十六日付のプレスリリースで、イラク石油労働組合連合(IFOU)が、バスラでの抗議行動を呼びかけたと報じました。マイサン州のアマラやディカル州のナシリヤでも同時に抗議行動が行われ、これらの自治体が労組の要求を認めるよう石油相に訴えたとしています。

 IFOUのアサディ議長は、石油法案がイラクの経済主権を多国籍石油企業に明け渡すものだと指摘。「イラクの石油の管理権を失えば、イラクの発展は実質的に縮小することになる。なぜなら(外国の)石油企業は巨大な利益を求めるだけで、国内の環境、労働者の賃金、生活条件に関心を払わないからだ」と述べました。

 IFOUはイラク南部四州にまたがる十の国営石油・ガス会社で二万六千人の組合員を擁する有力組織。すべての外国軍の即時撤退を要求しています。



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