2007年7月18日(水)「しんぶん赤旗」
07参院選 話す・伝える
医師不足 どの党が解決できる?
地方でも都市でも深刻化する医師不足――参院選では、各党とも「医師不足対策」を強調しています。どの党が議席を伸ばせば、日本の医療を再生することができるでしょうか。
日本の医師数は、経済協力開発機構(OECD)の加盟国の平均と比べて約十二万人足りないなど、先進国で最低レベルです。
日本共産党は参院選政策で、医師不足の最大の原因は「『医者が増えると医療費が膨張する』といって医師の養成数を減らし続けてきた自民党政府の失政」と指摘。「医学部定員削減」の閣議決定(一九九七年)を撤回して医師数を抜本的に増やすことや、勤務医の労働条件の改善などを提起しています。
日本共産党は、早くからこの問題を重視してきました。今年二月には「深刻な医師不足を打開し、『医療崩壊』から地域をまもる提案」を発表。医師会や国公立病院など全国の幅広い関係者に届けました。これに対して「時宜にかなった方針。内容は全面的に支持します」「現場の声をよく反映している」「解決への道筋を示すものだ。ぜひ実現してほしい」と、かつてない反響が寄せられました。
また、各地で幅広い医療関係者との共同が広がっています。六月二十八日に千葉県銚子市で開催された党主催のシンポジウムには、銚子市長や市立総合病院の院長も出席。岡野俊昭市長は、市立病院の存続を求める党の活動に「熱意を感じた」と述べました。
自民党と公明党は参院選政策で、国が医師不足地域に医師を緊急臨時的に派遣する体制の推進などを掲げました。しかし“医者の数は基本的に足りており、問題は地域や診療科による偏在”という従来の認識を変えておらず、医師を抜本的に増やす姿勢ではありません。これには「医学部の定員という蛇口を閉めたままで、あれこれやりくりしても、焼け石に水ではないか」(六月二十四日付「朝日」社説)と批判の声も出ています。
民主党は、削減された医学部定員を元に戻すことなどを訴えています。しかし、同党はこれまで、自治体病院の切り捨てを推進する法案(〇三年)など、地域の「医療崩壊」を深刻化させた法律に賛成しています。
■日本共産党の参院選政策
○国公立病院の産科・小児科切り捨てをやめ、地域に産科・小児科を確保するための公的支援を強化する。
○「医学部定員削減」の閣議決定を撤回し、医師養成数を抜本的に増やす。
○勤務医の過重労働を軽減するため、薬剤師、ケースワーカー、助産師、スタッフの増員をはかる。院内保育所や産休・育休保障など家庭生活との両立を支援する。
○医療の安全・質の向上、医療従事者の労働条件改善、地域医療にかかわる診療報酬を引き上げる。
○不足地域・診療科に医師を派遣・確保する国の制度を確立する。
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