2007年7月17日(火)「しんぶん赤旗」
共産党前進には「活動量アップが課題」
政界関係者ら注目
永田町の政界関係者や政治ジャーナリストの間で、参院選で日本共産党が善戦する可能性を指摘する声が聞かれます。
〇…読売新聞の橋本五郎特別編集委員は『中央公論』八月号の飯尾潤政策研究大学院大学教授との対談で「今回の参院選で共産党が議席を増やす可能性もありますね」と語っています。
政治記者OBや政治評論家三十数人が集まった参院選の見通しを語り合う会合が六月二十八日、日本記者クラブで開かれました。そこでも日本共産党が伸びるかどうかが話題の一つとなり、「共産党をめぐる情勢をどう見る」との質問が出ました。著名な政治評論家が「議席を増やしそうな世論の動きが見られる」との見方を示していました。
〇…保守系候補の選挙キャンペーンを手掛ける企画制作会社社長は「三年前の参院選は、選挙前に起きた年金未納問題で国民は小泉内閣にお灸(きゅう)をすえるというレベルだった。今回は年金と住民税増税で国民は理屈抜きに怒っている。いうなれば、ふざけるな安倍自民党という思いがある」と指摘しました。
そのうえで「政権担当の当事者能力に欠ける安倍内閣にかわって、問題解決能力を持つ政党を選択しようという有権者の動きが読み取れる。年金問題でも政治とカネの問題でも日本共産党が政党のなかで問題解決のペースメーカーになっている」と、日本共産党の主張と政策が有権者に浸透する可能性を語っています。
〇…選挙区選挙でも東京はじめ日本共産党の存在感を認める声が少なくありません。
自民党三役経験者は京都選挙区を例に引いて「自民党候補者は、公明党が推薦を渋るほどのウルトラ改憲右派の人物だ。他方、民主党は、村上ファンドのぬれ手で粟(あわ)の汚れたカネに染まった候補者。もともと京都で第一党の地力を持っていた共産党の議席復活の可能性が、われわれの間で話題になっている」と話しています。
とはいうものの「やはり勝つには活動量だ。いまの共産党には往時の勢いが見られない。すべては『頑張れば…』道が開くということだ」ときびしい見方も付け加えています。
〇…自民、民主の保守政党二つの争いにメディアの報道が流れがちななかにも、日本共産党ヘの注目に応えるには、活動量アップが差し迫った課題だというのがマスメディア関係者の大方の見方です。