2007年7月8日(日)「しんぶん赤旗」
赤城農相 事務所費問題
母親「家賃もらってない」
あるのは色あせたポスター
茨城・筑西市
赤城徳彦農水相に新たな政治資金をめぐる疑惑が七日、発覚しました。家賃や水道代がタダの議員会館に資金管理団体の事務所を置きながら、高額な「事務所費」や光熱水費を計上、疑惑を明らかにしないまま自殺した松岡利勝前農水相の後任大臣の疑惑。安倍晋三首相は、またもかばうのか―。
JR水戸線の下館駅から車で約三十分。東に筑波山を望む田園地帯にある大きな二階建ての旧家が、十年間で、九千万円を超す経常経費(表参照)を計上していた「赤城徳彦後援会」の「事務所」の所在地です。茨城県筑西(ちくせい)市赤浜。二〇〇五年三月、周辺自治体と合併するまでは明野町でした。
同相の祖父、故赤城宗徳元防衛庁長官、農林相以来の実家です。登記簿謄本によると、一九八七年四月から八八年三月に赤城農水相の母親らが贈与により取得しています。母屋の壁には、風雨にさらされ、色落ちした同相の古いポスターや前回総選挙のポスターが計三枚、張られていますが、事務所という雰囲気はありません。
同相の母親は、同日午後、「家賃や光熱費は受け取っていない。秘書などはおらず、わたしたち(夫婦)が住んでいるだけ」と話し、事務所としての実体がないことを明らかにしました。
実体がないのに、人件費が十年間で五千三百万円、事務所費が千六百万円―。経常経費は政治資金収支報告書の届け出で、領収書がいりません。流用などがなかったのか―。巨額資金の行方に重大な疑いが出てきます。
赤城農水相のカネをめぐっては、議員会館に事務所を置く資金管理団体「徳友会」も、事務所費が〇〇年に十九万二千円だった一方、〇二年に千十七万円などと不自然に変動していることが指摘されました。また、政治資金規正法に違反して農水省の補助金交付団体から献金を受け取っていたことも日本共産党の紙智子参院議員に追及され、あわてて返金したりしています。
今回、明らかになった架空事務所の虚偽報告疑惑は、閣僚としての資格そのものが問われる重大問題です。同時に任命した安倍首相の責任も厳しく問われざるをえません。
妻の実家にも架空団体
赤城徳彦農水相の「架空事務所」疑惑は、「赤城徳彦後援会」のほかにもありました。
この政治団体は、一九八九年三月に設立された「徳政会」。東京都世田谷区弦巻の同相の妻の実家を「主たる事務所」として届け出ていますが、二〇〇三年―百二十四万八千円、〇四年―百三十六万八千円、〇五年―百二十六万七千円と、毎年百万円以上の経常経費を計上しています。
人件費は、七十二万円、光熱水費は十二万円、事務所費は二十四万円とそれぞれ毎年同額。あまりにも不自然な報告となっています。
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