2007年7月8日(日)「しんぶん赤旗」
通常国会にみる たしかな力 共産党(3)
貧困生む政治に「待った」
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「住民税が上がりすぎ。お金持ちから取ればいいじゃないか。今度の選挙は自民党に入れない」。青森市の男性(30)は今の政治への不満、怒りをファクスで日本共産党本部に送ってきました。男性は正社員になれず、派遣の時給八百九十円で生活しています。安倍晋三首相は住民税増税に悪びれもせず、参院選後の消費税増税の可能性までいい始めました。
■逆立ち批判
深刻な格差の根源には貧困の広がりがある―日本共産党は、その実態を税制、雇用、社会保障の各面から告発し、是正を求めてきた唯一の政党です。
定率減税廃止による六月からの住民税増税を前に、政府は、「税負担は変わらない」などと広報で弁解にやっきになりました。日本共産党の佐々木憲昭衆院議員は二月の予算委員会で、定率減税廃止を計算に入れないごまかしであることを明らかにし、前年より大きく所得が減った場合にはいっそう増税になることを暴露。一方で、大もうけしているのに減税で優遇されている大企業、大資産家からとるべきだと正面から主張しました。
日本共産党が始めた「住民税増税の中止を求める緊急署名」は、六日までの短期間で十万一千六百十九人分に。党議員団は署名を首相官邸、財務相に届け、増税中止を迫ってきました。
通常国会では企業のリストラ・再編に減税の恩恵をうける産業活力再生法の延長・拡充が強行されました。同法改悪には自公の与党とともに民主党も賛成。この大企業支援策を日本共産党は「特定大企業に二重、三重の優遇をするものだ」と反対しました。逆立ち税制の根本的な批判は、企業から一円の献金ももらっていない政党だからこそできるのです。
労働のルール破壊と非正規労働者の拡大の問題ではどうか。偽装請負の問題を二〇〇二年から先駆的にとりあげてきた日本共産党議員団は、厚生労働省の昨年九月の指導厳格化の通達に続き、三月に偽装請負を派遣にするごまかしを許さない通達を出させる成果をあげています。
小池晃参院議員は、「ネットカフェ難民」という日雇い派遣で働く若者たちの実態を調査し、国会で最初に告発しました。「望ましい姿というつもりはない」と柳沢伯夫厚生労働相は調査を約束。以後、マスメディアも「ネットカフェ難民」問題を本格的にとりあげることになりました。
一方、「格差是正」を宣伝していた民主党は、派遣法制の緩和など雇用破壊に手を貸してきたことへの反省はなく、鳩山由紀夫幹事長が低所得者の負担が大きい「消費税アップ」を示唆しています。
■医療の現場
社会保障の改悪を許さない論戦でも大きな力を発揮しました。
高い保険料が払えずに国民健康保険証をとりあげられ、病院にいけず命を落とすような実態に対し、日本共産党は病院への緊急アンケートを実施。「よくぞ現場の声を聞いてくれた」「政府の低医療費政策で医療崩壊が引き起こされている」など期待と怒りの声が寄せられ、国会質問で保険証とりあげの中止を何度も迫りました。
先進国のなかでも深刻な水準にある一人親家庭の子どもの貧困についても、志位和夫委員長が衆院代表質問でとりあげ、母子家庭にたいする児童扶養手当削減、生活保護の母子家庭への母子加算廃止の撤廃を求め、貧困をさらに拡大する政府を追及しました。(つづく)
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