2007年7月7日(土)「しんぶん赤旗」

海外派兵型へ強化

省移行後初の「防衛白書」


 小池百合子防衛相は六日の閣議に二〇〇七年版「防衛白書」を報告し、了承されました。省へ移行し、海外派兵を自衛隊の本来任務(主任務)に位置づけてから初めての白書です。「危機により強く、世界の平和により役立つために」とサブタイトルで打ち出すなど、地球規模での海外活動を任務とする軍隊へ転換を遂げつつあることを前面に押し出しました。

 白書は、海外派兵の本来任務化が「戦後レジームから脱却し、新たな国造りを行うための基礎、大きな第一歩」だと強調した安倍晋三首相の訓示(一月)を掲載しました。本来任務化が、「戦後レジームからの脱却」として進められている改憲に向けた一里塚であることを裏付けています。

 省移行と本来任務化を詳述する章を新設し、海外での自衛隊の活動について「わが国が果たすべき責務となっている」と強調しています。今後、海外派兵を進めていくうえで、「教育訓練体制、部隊の待機態勢、輸送能力の向上といった体制整備を進める必要がある」とし、海外派兵型軍隊への体制強化を図る方針を示しています。

 実際に行っている海外任務として最も紙面を割いているのは、イラクやインド洋での活動です。いずれも、ブッシュ米政権の要求に基づき実施しているものです。

 アジア情勢では、昨年の北朝鮮のミサイル発射と核実験に触れ、「重大な脅威」と指摘。中国については「より遠方の海域において作戦を遂行する能力の構築を目指しているものと考えられる」「軍事力近代化の行方に関する懸念が高まっている」としています。

 国民的な非難を浴びた陸上自衛隊の情報保全隊による国民監視活動には一切触れていません。


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