2007年7月6日(金)「しんぶん赤旗」

主張

国会閉幕

「たしかな野党」いまこそ出番


 通常国会が百六十二日間にわたる会期を終え、閉幕しました。

 暴走に次ぐ暴走といわれた国会です。安倍自公政権による強行採決は二十回にも及びました。問答無用で議論を断ち切る悪政の連続にたいし、国民の立場を貫く論戦で、日本共産党は「たしかな野党」の存在感を示しました。

暴走に立ち向かって

 半年間の国会を通じて、民意は劇的に安倍内閣を離れています。昨年九月の発足時に七割だった支持率がいまや三割を切り、不支持も五割にのぼります。安倍首相が「実績」づくりだと強行採決で悪法を次々成立させたのも、大本で国民の利益に反するこの政権の「弱さ」の現れです。

 日本共産党はこの国会で、安倍自公政権の反国民的な暴走に国民とともに反対し、ストップをかける論戦をいどみました。

 自公は今国会で、改悪教育基本法を具体化する教育三法や改憲手続き法を強行成立させました。しかし、安倍内閣の改憲の危険性に国民の警戒感は高まり、世論調査でも憲法九条を評価する声が高まっています。

 日本共産党は、「従軍慰安婦」問題での安倍首相の「強制はなかった」発言をはじめ「靖国」派が中心に座った改憲策動を徹底追及しました。自衛隊の国民監視活動の暴露では、「海外で戦争する国」をめざす勢力が国内では国民に抑圧の矛先を向けている実態を明らかにしました。

 民主党は、憲法でも、庶民増税でも、基本路線で自民党との違いがありません。国会で与党との「対立軸」路線を強調しましたが、現実には、どの問題でも自民党政治との「対決」の旗がたてられずにいます。

 政治とカネの問題で、民主党は小沢代表の資金管理団体の巨額不動産取得など多くの問題で自浄能力を示せずにいます。自公と民主が真相解明に背を向け、政治資金規正法改定に問題をすりかえ、幕引きをはかる対応をすすめたことは重大です。

 自公の暴走に反対し、自公と民主が共同ですすめる間違った政治に反対を貫く共産党の役割は、国会を通じてますますきわだちました。

 日本共産党が悪政に反対するだけでなく、草の根の力と連携し、国民の要求で国政を動かす党であることは、いよいよ鮮明になりました。

 後半国会の焦点となった「消えた年金」問題では、国民は年金を政争の具にするのではなく「まともに給付してほしい」と願っています。共産党はすべての受給者、加入者に保険料納付記録を通知する「一億人レター作戦」をはじめ、建設的で積極的な提言を重ね、事態を前向きに動かす大きな役割を果たしました。

 貧困拡大の政府予算案を批判し、子どもや母子家庭、若者、医療問題など多様な視点から貧困打開を求める論戦をすすめ「ネットカフェ難民」の実態調査や偽装請負是正の政府通達など、数々の成果をあげました。苦しいくらしに追い打ちをかける住民税大増税を一貫して追及し、その中止と増税分を戻し税方式で返すことを提案してきたのも日本共産党ならではです。

真の対決はどこに

 今国会が示したのは、「自民か、民主か」という「二大政党」の争いに日本の政治の「対決」があるのではなく、「たしかな野党」・日本共産党が必要だということです。

 参院選を、暴走する安倍自公政権の悪政へのきっぱりとした審判とし新しい政治への道を切り開く機会とするために、日本共産党を前進させることこそが求められています。


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