2007年7月3日(火)「しんぶん赤旗」
自・民討論は放送法逸脱
共産党 NHKに是正申し入れ
NHKが一日夜に、21世紀臨調主催の自民・民主二党の「党首討論」を一時間半にわたり放送したことに対し、日本共産党の植木俊雄広報部長、東漢同副部長は二日、NHKを訪ね、「不偏不党」「政治的公平」を定めた放送法の原則の逸脱であり、是正措置を検討するよう申し入れました。
申し入れ書では、NHKは公共放送であり、選挙報道で大きな役割を果たすことが期待されており、放送法の原則を守ることは最低の基準と指摘。そのうえで、二党の「党首討論」の放送を過ぎたこととせず、二党以外の政党に応分の時間をとり、参院選の政策・主張を述べる機会を是正措置として検討するよう求めています。
植木氏が「二党に限ったことは許されない。重く受け止め、検討してください」と申し入れ書を手渡したのに対し、NHKの井上樹彦政治部長は「わかりました」と応えました。
申し入れ後、穀田恵二国対委員長と植木氏は、国会内で、公明党、社民党、国民新党に対し、NHKに申し入れた旨の報告をしました。
NHKへの共産党申し入れ(全文)
日本共産党中央委員会が二日に行ったNHKへの申し入れ(全文)は次の通り。
貴放送局は昨夜一日、午後十一時台のNHK総合テレビで、一民間団体にすぎない21世紀臨調主催の自民党、民主党二党による「党首討論」を一時間三十分にわたって放映しました。これは、安倍首相と民主党の小沢代表との党首討論と銘打っていますが、国会でおこなわれる党首討論の中継とは明らかに性格を異にするものです。即ち、放映の内容が物語るように、討論の性格は安倍首相と民主党の小沢代表による、参院選での政策論争であり、放映したNHK自身のニュースでも、この党首討論で参院選の火ぶたがきられたとの報道がおこなわれています。この日の放映はまさに、選挙にかんする報道を自民党、民主党の二党を特別扱いにして放送したものです。これは、「不偏不党」「政治的に公平であること」を定めた放送法の原則からみても明確な逸脱であり、わたしたちはこのような異常な報道を見過ごすことはできません。
NHKは、国民からの信頼と受信料によってささえられた公共放送であり、選挙報道で大きな役割をはたすことが期待されています。そのうえで、放送法で定められた原則を順守すべきことは最低の基準であり、民間放送はもとより、国民のための放送局である以上、より厳しく自律されなければならないと考えます。
わたしたちは、このような立場から、昨夜の二党の党首討論の放送を過ぎた事とせず、問題の重大性を直視し、ただちにこの番組にかかわる是正措置を検討されるよう強く申し入れるものです。具体的には、この日の放送でのぞかれたわが党をはじめ各党にたいして、この日の問題の解決のため、是正する措置として、二党を除いた政党に応分の時間をとり、参院選挙にたいする政策、主張を述べる機会を早急に検討すること―このことを強く要望するものです。