2007年6月29日(金)「しんぶん赤旗」
政治資金規正法「改正」案
まったくのザル法
総務大臣の組織活動費 支出先明示6件だけ
井上参院議員が追及
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菅義偉総務相の政治団体の「渉外費・交際費」は透明度ゼロ―。日本共産党の井上さとし参院議員は二十八日の参院政治倫理・選挙特別委員会で、故松岡利勝前農水相らの巨額「事務所費」疑惑などにフタをしたまま、自民・公明両党が成立をねらう政治資金規正法「改正」がまったくのザル法であることを所管大臣である菅総務相らの政治団体を例にあげ、浮き彫りにしました。
自民・公明両党の「改正」案は、政治資金収支報告書の人件費を除く経常経費の領収書添付義務付けを現行の政治活動費(組織活動費など)と同じ五万円以上にしているほか、対象を資金管理団体に限定しています。
井上議員がまず、取り上げたのは、政治資金の所管大臣である菅総務相の資金管理団体「横浜政経懇話会」。二〇〇三―〇五年の収支報告書によると、「組織活動費」のうち、支出が五万円以上で支出先を明らかにしているのはわずか六件で、その割合は、〇三年―0%、〇四年―15・9%、〇五年―1・7%と、きわめて不透明になっています。組織活動費の大半を占める「渉外費・交際費」にいたっては、〇三年―四百六万円、〇四年―五百二十六万円、〇五年―五百一万円もあるのに、すべて一件五万円未満の支出で透明度ゼロです。
井上議員は、「現行法でも、こんな状態。法改正によって、政治資金の使途の透明化にはつながらない」と強調。また、与党案提出者、賛成者のうち、自民・後藤茂之、公明・佐藤茂樹両衆院議員の資金管理団体の組織活動費(〇五年)が領収書を必要とする五万円以上の支出がゼロであることも示し、「いかに五万円が実態にあわないかを示している。国民の不信は解消できない」とのべ、与党案の「抜け穴」ぶりを指摘しました。
菅総務相は「事実に即して届け出ている」と答弁しました。
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