2007年6月29日(金)「しんぶん赤旗」
米好感度 さらに低下
「対テロ戦争」支持も最低
47カ国調査
【ワシントン=鎌塚由美】米国の民間調査機関ピュー・リサーチ・センターは二十七日、世界各地で行った米国に対する好感度調査の結果を発表しました。四十七カ国で行われた今回の調査でも米国への好感度は回復せず、「対テロ戦争」などの外交政策への批判が高まっていることが明らかになりました。
米国への好感度はイスラム諸国と西欧諸国で依然として低いまま。調査は「反米感情は深化している」と指摘しました。トルコでの好感度は19ポイント低下し9%の一ケタ台に。パキスタンでは15%に低下しました。
米国の古くからの同盟国である西欧諸国では、回答者の多くが米国のイメージ低下の要因は「単独行動主義」にあると指摘。「米国の外交政策は他国の利益を考慮していない」との回答は、フランスで89%、カナダで83%、英国で74%でした。
米国が「新しい欧州」と呼ぶ東欧諸国でも好感度は低下。二〇〇二年との比較では、チェコで71↓45%、ウクライナで80↓54%、ブルガリアで71↓51%で、20ポイント以上、減りました。
米国の「対テロ戦争」への支持も各国で低下し、最低となりました。米国内でも〇二年との比較で19ポイントの低下で70%になっています。欧州諸国では、さらに低下が著しく、ウクライナ、フランス、英国、ポーランド、ドイツ、イタリア、チェコなどで〇二年から25ポイント以上低下しました。
調査の結果、イラク戦争への反対が世界各地に広がっていることが分かりました。調査した四十七カ国のうち四十三カ国で過半数の国民が「米軍はイラクから即時撤退すべきだ」と回答しました。今回の調査は、四十七カ国、約四千五百人を対象に行われました。