2007年6月28日(木)「しんぶん赤旗」

日本の医師数最低水準

OECD加盟国 近藤日福大教授が試算

2020年


 日本政府の「医師抑制政策」が変わらなければ、人口千人あたりの日本の医師数は、二〇二〇年にOECD(経済協力開発機構)加盟国三十カ国のなかで最下位レベルに落ち込むことが、日本福祉大学の近藤克則教授(社会疫学)の試算で明らかになりました。

 〇三年で見ると、日本の人口千人あたりの医師数は二人で、OECD平均の二・九人を下回っているだけでなく、加盟国中では下から四番目という低水準です。

 日本より医師数の少ない国は、韓国(一・六人)、メキシコ(一・五人)、トルコ(一・四人)の三カ国です。ところが、この三カ国の医師数の年平均増加率(一九九〇年―〇三年)は、韓国5・5%、トルコ3・5%、メキシコ3・2%で、日本の1・3%を大幅に上回っています。

 近藤教授は、この平均増加率が続いた場合の人口千人あたりの将来の医師数を試算しました。その結果、韓国は〇九年に二・二一人となって日本(同年二・一六人)を抜きます。メキシコは一九年に二・四八人、トルコは二〇年に二・五一人になって、それぞれ日本を上回る医師数になります。〇三年時点で二・一人のカナダの年平均増加率が0%であるため、日本は最下位ではないものの、最低クラスになることは免れません。

 近藤教授は「国も、医師不足が深刻な県や自治医大の医学部定員を最大百十人増やすことを認める方針を打ち出した。しかし、現在の医学部定員約七千六百人の1・4%増、医療施設で働く医師数約二十六万人から見ると年増加率では、0・05%にも満たない。医師養成には十年かかる。長中期・短期対策を組み合わせることが必要だ」と指摘しています。



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