2007年6月26日(火)「しんぶん赤旗」

「高尾山」原告が控訴

東京高裁 圏央道トンネル問う


 首都圏中央連絡自動車道(圏央道)トンネルの建設で、高尾山(東京都八王子市)の貴重な自然が破壊されるとして、国にトンネル工事の差し止めを求めた「高尾山天狗(てんぐ)裁判」の原告団は二十五日、原告の請求を棄却した東京地裁八王子支部の判決を不服として、東京高裁に控訴しました。

 控訴したのは約三百七十人と自然保護七団体。

 十五日の一審判決は、トンネル工事によって高尾山北隣の国史跡八王子城跡の滝が枯れ、絶滅危ぐ種オオタカが巣を放棄したことなどを認定しながら、「環境権は差し止め請求の根拠にならない」として、請求を棄却していました。

 八王子市内で記者会見した原告団の吉山寛団長は「一審判決は、圏央道を認める結論が先にある判決だ。高尾山は地盤がゆるく、工事で水枯れが予想できる。『公共性』をいうなら、道路より高尾山を守る方が高い」と強調。橋本良仁事務局長は「私たちは圏央道に公共性がないと主張してきた。二十三日の(高尾山以北部分の)開通で国の主張通り『渋滞緩和に資する』かどうか注視し、(高尾山をトンネル建設から守る)運動を世の人に理解してもらうよう努力していく」とのべました。


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