2007年6月26日(火)「しんぶん赤旗」

国保交付金 国が算定ミス

1000自治体に及ぶ恐れ

那覇市は10年で5.5億円不足


 厚生労働省の算定ミスで、国から那覇市の国民健康保険財政に入る交付金が一九九六年以来の十年間で五・五億円不足していること、この事態が那覇市にとどまらず全国に波及することが二十五日わかりました。厚労省保険局の担当者が日本共産党の赤嶺政賢衆院議員に対して国の責任を認めました。


調査・補てん検討

赤嶺議員に厚労省

写真

(写真)赤嶺政賢議員

 問題の交付金は「特別調整交付金」。市町村の国保財政格差を是正するもので、災害による国保税の歳入減、原爆・結核・精神病・へき地医療の費用がそれぞれ一定基準より多い場合などに交付されます。

 赤嶺議員が那覇市の事態についてただしたのに対し、厚労省の担当者は「那覇市について、算定の誤りの結果で交付不足があったのは事実」と認めました。また「いま全国の状況の調査をしている。未交付金の補てんも含めてどんな対応ができるか検討している。今年度中には対応する」とのべ、全国調査をするとともに、未交付分について補てんも含めて検討する考えを示しました。

 全国でどのくらいの規模に広がっているかについては、結核、精神病医療での特別交付金の対象は三百七十自治体(二〇〇五年度)で、それ以上増える可能性があること、原爆医療などを含め全特別調整交付金を対象にすれば、一千自治体にのぼる規模であることを明らかにしました。

 那覇市では、二〇〇六年度国保財政の赤字を見込んで、今年二月に国保税を年四千九百円値上げしました。未交付が自治体財政を圧迫し、住民負担増につながった形です。

不足分の補てん那覇市議会要求

全会一致

 那覇市議会は二十五日、不足分の補てんと、全容解明を求める意見書を全会一致で可決しました。

 日本共産党の渡久地修市議は「市民は高い国保税に苦しんでいるのに、こんなミスは許されない。不足分は国が責任をもって交付するべきだ」と話しています。


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