2007年6月23日(土)「しんぶん赤旗」

07参院選 いまこそ必要 たしかな野党

自民と同じ流れの党では政治変わらない

共産党が伸びてこそ


 マスメディアは、今回の参院選でもこぞって「自民対民主」をあおり、「政権交代」が最大の争点であるかのように描いています。しかし、自民党政治の古い枠組みに手をつけない「政権交代」では、政治がよくならないことは十四年前の細川連立政権で実証ずみです。「たしかな野党」の日本共産党が伸びてこそ民主的政権への「たしかな道」が開けます。


民主党と自民党

改憲・増税 区別つかず

 約四千五百人を集めた今月六日の民主党の資金集めパーティー。小沢一郎代表は「みんなで力を合わせて、自公政権を打倒しよう」と檄(げき)を飛ばしました。しかし、政権交代で、自民党政治の何をどう変えるのかはまったく見えてきません。

 自民党が、参院選公約で「新憲法制定の推進」を冒頭に掲げ、安倍改憲路線を鮮明にしたのに対し、民主党の参院選政策の「十本柱」には憲法問題はなく、政策リストでは憲法問題は最後。争点化を避けようとする姿勢がみえみえです。

 それというのも、憲法改悪という点では、自民党と同じ流れにたっているからです。民主党はかつては「論憲」と称して改憲姿勢をごまかしましたが、二〇〇三年の自由党との合併直後には「創憲」という形で改憲を打ち出し、〇五年には自民党と競うように「憲法提言」という改憲構想を発表しました。

 財界との関係でも、結党当初は、「市民主義」を標ぼうし、距離を置いていたのに、自由党との合併後は、「財界のみなさんにもこの民主党なら頼りになりますねと、初めていっていただけるようになった」(鳩山由紀夫元代表、〇三年十月)と公言するようになりました。消費税増税では自民党より先行、日本経団連の政党通信簿でも年々評価が上がっています。

 民主党は、年を追うごとに基本路線で自民党と区別のつかない政党になっているのです。

 「政治とカネ」でも、故松岡利勝前農水相など自民党閣僚の疑惑が明らかになるたびに、民主党の松本剛明政調会長や小沢代表の疑惑も指摘され、「ブーメラン政党」とからかわれる始末。腐敗追及の足を引っ張り、与党を助けることになっています。

93年「非自民」政権の“実績”

小選挙区制 コメ自由化

 「自民政権 三十八年で交代」「五五年以来の自民支配に幕」―一九九三年八月七日付の新聞各紙は細川護熙(もりひろ)首相の誕生を大々的に報じました。

 その年の七月の総選挙で「自民か非自民か」のキャンペーンが吹き荒れるなか、自民党は大敗し、日本共産党を除く非自民連立政権が誕生したのです。

 しかしわずか八カ月後、細川首相が佐川急便からの一億円の借り入れ疑惑で退陣したとき、期待は失望に変わっていました。

 ノンフィクション作家・久田恵さんは「就任当時は…期待がありました。でも、やっていることは自民党時代の政策をスマートに代行しているだけという気がして、次第にうんざりしていました」(「朝日」九四年四月八日付夕刊)と率直に語りました。

 こうした声が多く出たのは、政治を変えてほしいという国民の期待とは裏腹に、非自民政権が自民党政治をそのまま受け継いだ政権だったからです。細川政権成立へ向けて社会、新生、公明など八会派が結んだ連立政権の合意には「国の基本施策についてはこれまでの施策を継承」と明記されていました。

 結局、細川内閣と、そのあとを継いだ羽田孜内閣の、二代の連立政権がやったことは、民意をゆがめる小選挙区制の導入など、自民党がやりたくてもできなかった「政治改悪」の数々でした。(別表)


 細川・羽田“非自民”連立政権のやったことは…

 〈細川内閣〉1993・8―94・4

○小選挙区制を導入

○政党助成金制度を導入

○コメを部分開放し全面自由化へ道

○消費税を「福祉税」に変え税率7%に(批判を受け、発表の5日後に撤回)

 〈羽田内閣〉94・4―94・6

○健保改悪で病院入院給食費を有料化


党首討論 議案提案権

議席増で実現しよう

写真

(写真)党首討論で小泉首相(左)をただす志位和夫委員長(右)=2003年6月11日、参院第1委員会室

 低調が叫ばれる自民、民主による党首討論。今国会、自民と民主は日本共産党にも発言を保障すると明言しましたが、公明党が“衆参いずれかで十議席以上をもつ会派だけが質問する”との「申し合わせ」なるものをたてに反対し、妨害しました。日本共産党の議席は衆参それぞれ九議席です。日本共産党は「申し合わせ」に反対しており、少数会派であっても各会派が参加してこそ有意義になるとの立場ですが、こんどの参院選で一議席増えれば公明党の妨害をはねのけ参加することができます。

 二〇〇三年の党首討論では、志位和夫委員長がイラク戦争の根拠となった大量破壊兵器が発見されない問題を取り上げ話題に。小泉純一郎首相の「(イラクの)フセイン大統領が見つからないからといって、フセイン大統領がいなかったと言えるか」との答弁に、「野党党首のなかでは志位和夫委員長のわずか8分の討論が核心に迫り、小泉首相から〈お面1本〉という印象だった」(「毎日」)と報じました。

 さらに、二議席増え十一議席になれば、予算の伴わない議案を提案することができるようになります。これまでにも「パート・有期労働者均等待遇法案」や「サービス残業根絶法案」などを提案してきました(表)。議案提案権があれば、現在問題になっている「格差と貧困」を解決するための法案、改悪教育基本法を廃止する法案なども提案することができるようになります。


日本共産党が提出してきた主な法律案

▼企業・団体献金禁止法案

▼天下り禁止法案

▼パート・有期労働者均等待遇法案

▼サービス残業根絶法案

▼解雇規制法案

▼永住外国人に参政権を付与する法案


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